« 冬の甲子園 | メイン | 仮説の通路「万華鏡」 »

2007年12月27日

●花

先日カレンダーを買った。写真家アンドリュー・ローソンのイングリッシャーガーデンの花のカレンダー。色鮮やかな花のクローズアップから乱舞,群舞する花々と、知覚の中心に突き刺さる程のインパクトに圧倒される。実は私は作品に度々こうした花を登場させて来た。ドローイング、立体作品、写真。そして時には大量の造花さえ。それは生の証であったり、逆に死のイメージさえ漂わせるものだったりもする。そうした花への魅力に向かわせた原因はある。子供時代のお祭り。青森に「ねぷた祭り」というのがある。夜、豪壮な絵が描かれた巨大な灯籠のようなものを引き練り歩くものだ。それは夜の漆黒に赤々とした巨大な花が咲くようでもあった。幻想の域さえ超えて呆然とし踊り狂う。
可憐にひっそりと咲く山野草の花もいいのだが、なぜかこうした圧倒的な鮮やかな魅力に引き寄せられてしまうのはその為だろう。ひとつの光景が自分の視覚を超えてさらに奥深くまで到達してしまうような、そんなリアリティー。されど、その強烈なイメージの中に非常にシンプルな何かが立ち上がる。その瞬間がいいのだ。そんな瞬間に立ち会う為に花を植え、花を探し、花を撮る。
hanasougouJPEG