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2007年05月26日

●ノスタルジー!?

この強烈なインパクト!受験生の定番モチーフの「円盤投げ」のトルソです。時代は変わっても受験生のエネルギーや熱意は変わりませんね。
 この作品は30年前の学生の作品です。向かおうとする精神性や視線が何か今のデッサンと違うような気がします。それが時代背景が作り上げたエネルギーなのか、と自問しながら、デッサンの持つ醍醐味を再度確認しながら指導へと役立てたいと思います。
 やはり、こうした過去の先輩が残した数々の作品に触れられることは必要ですね。

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2007年05月25日

●学習環境 ?使いこなしてこそ環境!?

すいどーばた彫刻科には、長年の伝統の中で蓄積されてきた沢山の研究素材があります。そんな環境の一部を紹介しましょう。
●参考作品(デッサン/塑造写真)
 まずは過去半世紀、50年間ここで学んだ学生達が残していったデッサン、塑造の優秀作品の数々。東京芸大を含む各美術大学で指導にあたっている先生方、あるいは日本のアートを牽引する作家達の若き時代のデッサン。その時代を反映するその表現内容もとても興味深いものがあります。
石膏、人体、静物、自画像、動物デッサン他ジャンル別に区分けされたデッサンの参考作品、そして写真プリントされた塑造作品の数々。常時閲覧可能なこうした参考作品は、時には思い悩む学生を勇気づけたり、また表現としての行き詰まりを打開するための貴重な参考書ともなり得ています。
そして何よりも同時代に果敢にチャレンジした当時の学生の息吹そのものを感じられること、それが最も大きな財産のようにも思えます。
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●参考図書
彫刻に関わる図書、その数およそ700冊。
閲覧自由。
美術そのもを知ること、興味を持つことは自分の世界観をさらに広げてくれます。歴史、思考、表現の多様性に触れ研究する積極性そのものがエネルギーであり、クリエイティブな自分を引き出す大切な要素です。
 今となっては絶版となってしまった本、美術本そのものが高価である現実を考えても貴重な財産です。そして毎年、新規購入の本も含め充実を計っています。
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● 標本/立体モチーフ/立体作品
人体や動物彫刻学習に不可欠な標本、様々なジャンルの立体モチーフ、そして過去の学生の優秀作品を石膏取りして残したものなど

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2007年05月18日

●ベンチ、されど彫刻?

楽しみにしていた科のスポーツ大会も突然の雷雨で中止。
嵐のように通り過ぎた後の公園は、行き場を失った雨でまるで池状態。
光もさし始めた木々の下にベンチがひとつ、というよりその状況はまるで水に浮いた彫刻。
 マルタ・パンという作家の作品に「水に浮いている彫刻」というのがあります。白いポリエステル(このベンチも同じ素材ですね)の抽象形の立体がゆったりと水面に浮かんだ作品です。重力が無くなったように浮遊する姿はとても優雅です。
 「水に浮くベンチ」というのも機能を有した体験的彫刻と言えるかもしれませんね。

●水の上の彫刻?

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●変われば変わるもの

以下の写真は某美術大学の資材置き場の石、そしてアトリエの一部。僕はこうした展示とは違う、何気なく置かれたものの状況や空間、そうした時間の堆積のようなものを見るのが好きなんですが。予備校生にとっては10キロ程度の粘土にさえ悪戦苦闘していたのが、大学に入って1〜2年もするとまるで人が変わったようにこれほどの物量にもチャレンジできるようになっちゃうんですね。
 身体のスケールを超えたものへの憧れがどこかにみんな潜んでいるんでしょうね。
受験生の皆さん、内部に秘めたパワーのあることを信じて頑張ってくださいね。

●この存在感

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2007年05月10日

●何やらあやしい、、、

カリキュラムの決定は、スタッフのかなりの話し合いの中で決定される。その年の学生の質やキャリアなどを総合したうえ、長期的ビジョンに照らして学生に提案、提供されていく

今回の塑造もそんな中のちょっと変わったカリキュラム。

「自分の頭骸骨を作りなさい」
要するに、首像制作の形態の意識をしっかり持ってもらおう!というものだが、それにしてもなにやらその光景は怪しい、、、。
正直私なんかは自分の身体の中に骨があるなんて考えただけでゾッとしたくらいだから、ストイックに3日間も「骨」と付き合うなんていくら向上心があっても無理かな?・・・なんて思いながら、「やっぱり目的意識を持った学生はすごい!!」と内心感心しながら、幾つもの頭骸骨が妙に笑顔に見える地下アトリエを後にしました。
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