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2009年11月07日

●浜松/天空の森たそがれ

今年最後の出張となる浜松へ。とどめの日帰り往復10時間の移動は、省エネとはほど遠く、かなりハードなスケジュール。駅前で各科(油画、日本画、デザイン)代表と恒例の「うなぎ」で気合いを入れ、いざタクシーに体押し込み目的の「浜松学芸高校」へ。
 現地高校では各科にそれぞれ散り受験指導。こちらの学校も類い漏れず彫刻科は女子校化したかのように男子ゼロの純粋培養。指導の先生も女性となると将に「花の園」なのだが、現実はなんのなんの「工事現場」さながらで、足の踏み場も無い程に物と熱気でムンムン。戸惑う私を察して、天気もいいので「青空指導」へと選択の余地無く切り替えてお天道様の下でのアドバイスの始まり。
昨今の受験の教育現場はどちらかと言えば、一般試験をまずは回避し推薦による受験中心で、この時期はポートフォリオや面接時の持ち込み作品の制作の追い込みと、なんとも慌ただしい。私もそれなりにノリノリに真剣に二時間程の指導を無事済ませ、沸騰するような気持ちの盛り上がりを冷ますように担当先生にご挨拶申し上げ退校。そして計画通りタクシーを避けてひとり駅に向け歩き出す。
 なんと言うか、道路が広い・・・。「土地がいっぱいあるのだな」、と単純に納得して両手を大きく振って闊歩闊歩!。何か解らないが取り敢えず仕事を終えた充実感と気分はルンルンルンなのだ。う〜ん、なかなか気持ちいい。
遠くに駅前のバブルの塔?アクトシティホテル浜松が聳えたっていて、駅への道は迷い用もなく、不安も吹き飛んで、目指すは出発時に垣間みた駅前の屋上庭園「天空の森?」。
程なく着いてさらに階段登り登って黄昏れて、人っ子一人も見当たらず。
 突然出現する広場の彫刻群が黒く影を作り、成長した木立もざわざわ揺れて何とも異様で異界。駅前の空には数千羽の鳥が渦を巻いて飛び交うおまけまで。そして眼下には帰宅を急ぐ人の群れ。何だかどっと疲れて、しばらく呆然。と言う訳で、どういう訳か写真も何も霞んでしまいました。

推薦での受験生さんたち、しっかり自己アピールしてくれるかな。
成功を祈ります!! そして、我が儘行動を許してくれました同行先生の方々、ありがとうございました。m(__)m
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2009年09月04日

●夏は江之島?!

静岡県立浜松江之島高校へ行ってきました。毎年恒例ともなっているこの実技講習会の特徴は「う〜暑い・・!」でしたが、なんと!今年は爽やかな海風と穏やかな風景とで、なんとも極楽な講習となりました。この学校の特徴もやはり類い漏れず女子が9割以上という女子校化。それと、「廊下もアトリエ」状態という「臨場感!?」。こちらは先生と生徒の熱気が伝わってきます。特に彫刻コースは、作品制作のためには野も無く山も無く境界も無く、学内のいたるところにスコッター (不法定住者) の如く場を確保して制作しているとのこと。こうした何か異邦人的なパワーが指導の先生からも伝わってきてとても気持ちいい。
 ただ、進路は漫画、舞台美術、歯科技工士、就職と、「お〜いぃ!い、いったい、ち、ちょうこくはどこにいったんだい〜!」と泣くに泣けぬ百貨店状態。彫刻とはなんと汎用性のある優秀なメディアなんでしょうね。きっと彫刻の可能性と面白さはこんなところにもあるんですよね(泣)。
1日半の滞在でしたが、超美味しいうなぎ、夜は勝手徘徊でこれまた美味しいお酒と魚介。そしてさすがサッカー王国、川にどんぶらこのサッカーボールまでも発見し拾得、こちらも全て網羅されたなんとも珠玉の時間となりました。
同行講師のみなさん、お疲れさまでした。またいろいろとご配慮いただきました先生方、ありがとうございました。そして夏は遊びたかった生徒の皆さん、自分の夢に向かって突き進んで下さいね。
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「江ノ島」の名のとおり、まわりは川に囲まれすぐに海。壮大な風景が広がります。
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展覧会出品の為の自由制作中、大型作品がずらり!
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個人情報流出を恐れる?極度の写真ぎらいの皆さんでした。う〜ん、なんとミステアリスな・・。

2009年06月23日

●福島県北

6月は2回目の出張。今度は初めての参加となった福島での校外講習会。なんと言うか東北の末端で生まれた私にとって北への旅は何故か親近感が湧く。東北というだけでなんだか親戚のような気持ちになるのだ。今回は福島県の県北の美術系高校と普通高校の美術部員、1年〜3年までの総勢127人もの参加となった。
主催は「福島県高等学校教育研究会美術工芸部会県北支部」と、全国制覇できそうな迫力!。それはそれとして、前日には懇親会なるものが厳かに催され、教職員ならではのこれもとても親近感のある楽しい時間となった。
 どう言ったらいいか、地方へ行けば行く程単純にビジネスライクというよりなにか人との繋がりが大事にされている印象があって恐れ入る。こちらもかなり強引にすいどーばたのコマーシャルをしている部分もあり、かなりうさん臭い集団にもかかわらずである。
 さて、翌日。さすがにこれだけの人数、休憩など挟む暇もないのだが、学生はとても素直に休むことなく食らいついてくる。さしずめスポーツ界なら「スカウト」したい学生は数多いのだが、こちらは意に反して、聞いてみると美大を目指す学生はやはり少なく、若干つっかい棒を外されたような気分。それでも、きっと目を世界に向ける何者かが出ることを願い、おじさん講師二人は赤裸々に奮闘しながら美術の夢を語るのでした。
関係者の皆様、本当にありがとうございました。また、全体を仕切っておられた青木先生には酔って少々絡んでしまいました・・。ご無礼、 m(__)m
でも楽しかったので来年も絶対行くぞー!!その前の学校から辞令が下らない恐れがありますが・・・・。

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*捨て身、親近、笑い、奮闘指導する関口先生。人物デッサン希望の60名の学生の皆さんと各高校の先生方。

2009年06月12日

●岐阜/加納高校(美術科)

例年、いくつかの高校へ「校外講習会」へ行く。受験に関しての説明と実技指導が主な内容なのだが、中には地域の高校が集まりコンクール形式で行われる大きな催しもあって、美大受験生ばかりではなく、一般美術部員を中心にその腕を競うもので、他校との交流もあってか緊張と熱を帯びる。
 今回は岐阜にある美術系高校である加納高校へ行って来た。ご承知のように、国公立美大を中心にした進学という、全国でもトップクラスの実力を持つ優秀校という印象が私にはある。事実、数多くの優秀な作家を輩出しているし、加納出身の受験生も我すいどーばたからはかなり高い確率で東京芸大に合格していく。特に加納高校出身の男子学生ともなると、それだけで「芸大合格1名」確保!と、予備校からすればまさに金の卵である。
 しかしながら前回もブログで触れたが、どの美術系高校も「女子校化」しており、男子学生は数名という異常現象。ならば女の時代だぁ!!と気持ちをシフトするもやはりその割には彫刻を志す女子は多くはなく、一体全体この国はファッションとデザインとマンガに支配されてしまうのかぁ〜!と幼き日の超マンガ少年の僕さえも憂えてしまうのである。
名古屋駅とは時間にして僅か数十分。その名古屋駅とは比較にならない程の活気の無い岐阜駅界隈の淋しさの印象もあってか、どうかどうか骨太の学生が、いざ!先輩の後に続いて志高く世界を目指しておくれ!!とばかりに祈ってしまう。
岐阜駅ホームから岐阜城を望みながら、群雄割拠する名だたる知将を思い浮かべ岐阜を後にしました。

*3年生の彫刻志望の学生さん。皆さん、やはりかなりハイレベルのデッサンでした。
「実直で粘りがある」、そんな印象でした。皆さん!!どうもお疲れさまでした。そして生きのいい「赤いつなぎ」の二年生の皆さん!頑張ってくださいね!
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2009年04月04日

●西表島

予備校講師にとっては束の間の春休も終了してしまったが、それでも、そうした合間をぬって恒例の講師旅行。今年は陽光ざわめく石垣島と西表島への旅行に決定。20代の若き女性講師、氷室さんを除けば皆既婚とあって、言わば「旦那集」だけがこんなのんびり旅行なんかしてて大丈夫なのかと、要らぬ心配もするのだが、「これも仕事、仕事!」とかまして心はVサイン。さて現地は思った程暑くはなかったのだが、それでもマリンブルーの珊瑚の中を泳ぎはしゃぎ、マングローブやらヤシやらの南洋の植物群に感動し、日本最西端という温泉に浸かりながら歓喜乱舞の時間を過ごすしたのであった。
 そんなこんなで珍道中ではあったが、一方で不思議だったのは、沈む夕日をのんびり眺めたり、遠くまで広がる海岸をただ訳もなくひたすらぶらぶら歩いたりと、それはそれで何も退屈することもなく、それだけで全員が過ごせてしまうという、なんとも奇妙な価値観の一致があって、彫刻家という人種の精神的優雅さ?になんだかそれなりに感動するのである。数センチの生き物の動勢に驚き、海藻の揺らぎにジョークを飛ばして大笑いとなんだか楽しいのだ。
今年も一年しっかり乗り切れる気がする。
皆さん、お疲れさまでした。
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2008年06月21日

●北の旅人

十和田市現代美術館へ行って来た。
青森駅を出発、車窓からの北の風景を楽しみながら南下、三沢駅へ。「三沢基地」のイメージが大きかっただけに降り立った駅の素朴さにまずは驚き力が抜けた。30分以上の乗り継ぎの待ち時間をぼ?と過ごし、旧東急7000系単線の将にレトロな十和田観光鉄道に乗り込む。無人駅、運転手一人のワンマン電車はひどくのどかに走っていく。なにか「ちんちんちん?ごとごとごと?」って感じで。そして30分弱で十和田市駅。う?んん・・何だろうこの静けさは・・・。鳴り物入りの現代美術館の大々的なイメージとは程遠く、駅には掲示も地図も無い。窓越しに駅員に尋ねるとパソコンのネットから取り出した地図を印刷し、さらに美術館の位置を丁寧にマーキングしさらに駅外まで案内見送ってくれる親切さ。恐縮と感動が入り乱れ深々と頭を下げいざ出発。駅前の広すぎる程の空き地のような駐車場を横切って地図を片手にウロウロ20分程歩き到着。迷わなければ意外と近いのだ。
整備された並木通りはひどく落ち着いていた。奥羽山系から流れ込む水。逆になぜ官公庁街だけはこれほどきれいに整備されているのか不思議にさえ思えた。

さて美術館、第一印象。きれい!おしゃれ!開放的!わかりやすい!
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この美術館の理念は「新しい体験を提供する開かれた施設」だという。21人のアーティストによるコミッションワークがホワイトキューブの建物の中に分散展示され、それらがガラスの廊下でつなげられている。美術館という威圧的な雰囲気は全く無く開放的で心地よい。受付もレストランも案内のお姉さんも都会的で素敵でいい、のだが・・ここはどこなんだ?と、ここまでたどり着く風景を思い起こした。これはこれでコンビニの店員のごとく規格化されているのだろうか、とも。
一方館内には美術館では珍しく不思議なそして微笑ましい光景があった。介護の若者に案内された沢山の車いすのご老人方が作品を楽しく体験していた。展示作品がそのコンセプト以上に視覚的にも体験的にも分かりやすく、親しみやすいのだろう。その意味では美術館というよりはまるでテーマパークに近いのではとも思えた。
 
 駅までの帰り道、大きな商店街を通った。国道に平行したアーケードを有した立派な商店街、そのほとんどがシャッターを閉じ閑散としてる。その中で店頭だけに現地の野菜や山菜、果物を並べるお店で近所のおじいさんが作ったという立派なイチゴを超破格の値段で買い込み貪った。
日差しがカンカンと暑い。イチゴは野味を帯びて口の中で溶ける。

美術館で開催されていたオノ・ヨーコの「平和のメッセージ」も都会的な美術館の作品もイチゴの甘酸っぱい香り中に溶け込む。そして奥羽山系から浪々と流れ下る奥入瀬の水を眺めながら「アートもイチゴも水も美味しいのだ」と、やりきれない気持ちと一緒に飲み込んだ。
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2008年05月30日

●点と線と癒し

「僕って雨男なんだよ(^^;;)」とか。実は私は「事故男?」。本当によく事故に出会う。いや、決して生々しいものでもなく、正しくは列車の遅延。特に私が利用する中央線はひどい。連続して出合うこともある。
 先だって新幹線に5時間程閉じ込められた。指定席で酒も入って熟睡とくればさして精神的影響は無いのだが、それでも「またか・・」とはなる。
 東京駅から目的の名古屋駅に着いたのは日付も替わった翌日の午前1時過ぎ。
大あくびしながら出たロータリーを見てさらにびっくり!そこにはタクシーを待つ人の長蛇の列!居並ぶ人が異なる感情を抱きながら線を成す。生きた線とはこんなものなんだろう(う〜ん・・なんだか三木さんの作品みたい・・)と妙に冷静に感動したりして。一方、駅構内に掲示された観光ポスター。そのコントラストの微妙さ。列車で疲れて癒しの園へ列車で向かう。
なんだか永遠と終わらない謎解きのようで。


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2008年03月22日

●無言の幸せ/無言の恐怖

恒例の講師旅行に行って来ました。1年に1回の全員参加の旅行。毎年行き先は様々で数年前迄は核安ツアーでの海外旅行だったのですが、学校の仕事も多忙となり近頃は一泊程度で行ける温泉を中心とした旅行に変わりました。
1年間この旅行の為に積み立てを行うという地道な力の入れようで、こうでもしないとなかなか旅行なんて行かないという現実もあって、これはこれでまるで修学旅行のようで妙に待ち遠しく楽しいのです。ただ私が突出して年齢が離れていますから、なるべく足手纏いにならないなように「過激」「ダッシュ」「脱線」を自らに課してのいわば凝縮旅行なのです。
 今回は私のワゴン車に全員を乗せてのドライブ。関越自動車道をぶっ飛ばして練馬から月夜野インターを降り、だらだら道中立ち寄りながら目的の秘湯、法師温泉へ。身体がふやけるくらい温泉入って、未だ残る雪原ラッシュして汗かいて、プファ?!って感じでビール飲んで、ひたすら中心の無い話しに加わって、やはり最初にグロッキーで就寝。
次の日は関越を跨いで尾瀬方面に走り、「吹割の滝」を見学。このあたりで会話はとんでもなく無軌道になりまとまりを欠いていく。さらに飛ばして予定外の榛名湖で薄氷の風景にやたらに歓喜し、されど凍えて伊香保温泉露天風呂でぬくぬくと身体を暖め終了。
 「ジュージツ、ジュージツ」という言葉が運転の背後から聞こえて来てましたから、みんなそれなりに充分に満喫したようでした。ただ、やはり彼等にとって一番の問題はこの「私」だったようです・・・。実は私はかなりのスピード狂で、高速では追越し車線以外走ることがありません。一般道でのカーブでは「インを突く」が習慣化されており、同乗者が無言になっていくのが感じられるのです。それはそれで解るのですがどうにもならない・・・・。この全身の集中力!
 帰りは学校まで送る予定でしたが、皆さんの薦めでかなり手前の「八王子で結
構です?!」で、全員、JRでお別れとなりました。
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つかの間のささやかな旅行。明日から怒濤の緊張へと向かいます。

2007年11月30日

●岐阜、たからかに

先日、校外講習会へ行って来た。今回は岐阜の加納高校。何年振りかの訪問で、前回の記憶も現地を徘徊するうちに徐々に蘇った。この高校、全国にある美術系高校の中でトップクラスの実力。現在でも芸大合格者を多数出しているし、事実、すいどーばたへ来る学生も芸大を中心に国公立大に確実に合格していく。
予備校にすれば、この学校から学生が来ると「芸大合格者1名確保!!」と言える程の信頼感がある。
また、彫刻、先端など芸大で教鞭をとる加納高校卒業生もおり、連綿と続くそのレベルに驚くばかりである。一方で、のきなみ減り続ける彫刻志望者、そして女子校化(男子学生の極端な減少)した美術系学校の現状は矢張りここでも同じで、一名の男子学生を除いて他全てが女子というのも現代的な社会の様相ではある。
 午前、午後とデッサン、塑造の講評をさせて貰ったが案の定、期待そのままにハイレベルな作品が並んだ。どうしてここまでしっかりと一人一人のやる気とレベル維持ができるのかと思う程。指導する僕にとっても何やら声だかに叫んでしまう。そう君たちはこの日本の美術を背負う「義務」があるのだと!
 頑張れ、諸君!!

3年の皆さんです。明るく元気でした。
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自刻像/力作でした。
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2年の皆さんです。
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2007年10月30日

●鳥取

26日〜28日と鳥取の校外講習会に行って来た。出発当日の朝は電車の遅延、下車駅の勘違いと絶対絶命も、台風の影響でフライトが1時間程遅れ、奇跡的にセーフ。この旅ははたして全て自分に風が吹いている〜!との強気の出張となった。結果的には、東京都民が今年最後の台風と格闘している間、鳥取は爽やかな風と青空という幸運の女神が微笑んでくれたのでした。
とは言え、現地での指導はかなりハードな内容。鳥取全県内から集合した高校生がコンクール形式でデッサンの順列を競うというもの。指導を含めてのコンクールの為、朝から夕方まで一人一人基礎的なアドバイスを休み無く続けるという具合で、学生諸君も初めての集中デッサンで、いわば短期決戦の合宿というようでもありました。
 ただ、悲しかったのは、これほどの学生が集まったのにもかかわらず、なんと彫刻科(家)を目指す学生が一人もいなかった・・・。そして指導の忙しさで彫刻のアピールも彫刻の面白さも披露できる場面も無く、何やら胃袋に消化されずに残った異物のような気分での終了となりました。
 倉吉から鳥取空港へと向かう海沿いの道。なぜか水平線はひどく太く暗く見え、「やはり日本海はこうじゃないとな・・」などと勝手に演歌気分でイメージを作り上げてはみたものの、彫刻を志す希望の星には出会えず、何やら無念の帰還となりました。
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おまけ
出張唯一の楽しみの現地珍味。今回は珍味より「びっくり」でした。巨大どんぶりでの昼食。
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2007年09月08日

●名古屋コーチンと女子高生

毎年恒例となっている浜松の美術系高校へ校外講習の指導へ行ってきた。夏は終わりとはいえ、まだまだ厳しくうだるような暑さの中、吹き出る汗を拭いながらの指導。
 赴いたのは油科、デザイン・工芸、日本画、彫刻の四科の専任講師、そして一年生のデッサン指導の講師。二日間に渡って集中しての指導と一人一人の面談はかなりの体力の消耗であるが、学生にとっても「虎の穴」に匹敵する程の厳しさでもある。私の担当した科は彫刻を中心に工芸志望の学生と一年生の基礎デッサン。特に今年度は彫刻科用モチーフとして「鶏」をお願いしていた。無理を承知でのお願いであったが、現地で対面した鶏は、なんと、凶暴さを秘めた大きな名古屋コーチン。
 個人的には多種の鶏飼育10年の私ではあったが、現地高校の先生もその負傷の痕跡を自慢げに見せてくれたことも頭をよぎり、その攻撃にはさすがにひるんでしまった。
 しかし生きたモチーフのサプライズはこうした現実の持つリアリティーにある。
感覚の裏側まで土足で入り込むこうした生き物の凄さは矢張り圧巻である。そして制作への意欲はそうしたものがエネルギーの源となることを学生の作品が証明してくれた形となった。女子校化した美術系高校、蒸し風呂のようなうだるなかで粘土と鶏と自分と格闘する女子高生・・・・。

いやいや、よくよく考えれば特殊な光景ではある。
本当におつかれさまでした。
石膏取りして作品にするとか?!どうなったかな?

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2007年08月23日

●ツッパッテマスカ?

こうした学校の現場で働いていると、こちらは老いていくのに学生の年齢に変化は無く毎年その差は離れていくばかり。それにつれて、学生に対しての対応も若干おおらかになっているのだろうか、「昔の中瀬さんは怖かったです〜!」みたいなことを言われる。
まあ、誰しも人生の長さに乗じてそこそこにキャパは広がるもの、だ!と頷いてみるのだが、これも自信というほどでもない・・・。
そう言えば確かに自分にも二十歳の頃はあった訳で、そんな自分を思い起こしてみると何やら危険な思いに捕われる。当時の自分の根拠の無い自信やそれと相反するような怒濤の落ち込み。乱降下する感情に翻弄されながらも踏み出す一歩。そんな脆さと危険さがあった時代。そう考えるとそうした時代の学生を今目の前にしているのだと、あらためて学生の心理を思う。
「おい!!かかってこんかい!!」なんて弱気な僕はとても言えない・・・。
頑張れ諸君!ほ、ほら・・、が、がんばろ〜ね m( _ )m

どんな意味を込めたのか・・・中瀬、二十歳の写真より。
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