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2007年07月01日

●学期末コンクール

残すところあと10日余り。早いものでもう一学期が終わろうとしています。
すいどーばた美術学院彫刻科では毎学期末に、デッサン・塑造・素描の総合コンクールを行っております。昔、料理番組で流行った「〜の鉄人」から「どばたの達人」「どばたの鉄人」などと命名していた時期もありました。
最近は、当時のような頂点を目指して競争するという意識というよりは、いかに自分らしい作品が制作できるかというほうが重要視されています。
かといって、自分勝手に何でもよし、というのではありません。
彫刻科の場合、ほとんどの大学入試でモチーフが与えられます。このモチーフを如何に解釈するかなのですが、彫刻科である以上、やはり三次元的にものをとらえることが基本とされます。

ですから、空間のなかに立体物がどのように配置してあるかがある程度表現されていることが重要となります。どのような光が対象にあたり、どのように立体として映し出されているのかということです。
さらに出題されるモチーフが大抵、優れた彫刻か人物、動物などであることから、ただ状況を写し取るだけではなく彫刻的な解釈が求められます。
その上で、如何に自分らしい表現ができるか、ということになります。
どばたのコンクールの内容は、ほぼ東京芸大を意識した内容で、採点基準もそれに合わせたものとなります。
しかし、東京芸大は私立大学のように合格者作品を展示したり、採点方法や採点基準を明確にしたことはありません。ですからあくまでも私達予備校講師が自分も含め過去の合格者作品から傾向を探し出し、研究をして合格基準を作り出しています。そういう意味ではすいどーばた50年の歴史は貴重な積み重ねとなります。
この合格基準という価値基準を私達講師がコンクールを通じて伝えていきます。
その基準を如何に自分の中に取り入れ、解釈し自分のものとしていくかが重要になると思います。

一学期は各自が、時間をかけて「実験の場」として課題に取り組むことをしてきました。
コンクールでは当然完成度が要求されます。実験ではなくその成果をみる場です。
その上で、今自分がおかれた位置を客観的に判断する場です。
表面的に取り繕ってまとめるのではなく、ガッチリ問題点と向き合っていきましょう。
順位を意識するより、自分の課題をどれだけクリアーできるかという点を重視して
コンクールに臨んで欲しいと思います。

※自由制作の作品が学内生向けsiteのほうで紹介されています。学内生は見てみましょう!