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2014年06月20日

●第4回アゲインスト展 「置物は彫刻か?」

元すいどーばた彫刻科スタッフの大橋博さん、藤原彩人さん、元木孝美さんが参加する展覧会のお知らせです。

第4回アゲインスト展 「置物は彫刻か?」

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会期:2014年6月10日(月)- 6月20日(金)
10:00 - 19:00 (土曜日10:00 - 17:00、日曜休館)

会場:東北芸術工科大学 7F Gallery

TALK LIVE
会場:東北芸術工科大学 7F Gallery
日時:6月20日(金)17:00 - 19:00

出品作家:入江早耶、大橋博、鈴木孝幸、土屋貴哉、樋口明宏、元木孝美、吉賀伸、冨井大裕、深井聡一郎、藤原彩人、保井智貴

テキスト:藤井匡、石崎尚

デザイン:小山麻子

展覧会主旨:
我々AGAIN-STの4回目となる本展は、初めて東京を離れ、山形の東北芸術工科大学にて行われる。彫刻の領域(初回)、首像(第2回)、壁面(第3回)に続く今回は「置物」をテーマに掲げ、これまでと同様に作家と批評家のゲストを招き、展示とトークライヴを通じて彫刻を考える場を生み出したいと考えている。置物という語は元来、室内装飾に用いられた道具を指していたが、江戸時代の終わり頃までには、人や動物をかたどった造形物を意味するようになる。そして今日では置物といえば、日本の彫刻がジャンルとしての純化を進めていく過程で取り除かれていったものとして認識されている。さて、今回我々が置物に着目するのは、行きづまりを見せている彫刻の現状から過去を振り返った時に、日本固有の立体表現という豊かなリソースから何かを吸収することを目論んでいる、からではない。そうではなく、かつて日本人の身体感覚と違和感なく共存していた彫刻のあり方として、置物の中にあったインスタレーションの要素を参照するためである。モニュメントを起源とする西洋の彫刻に、私的な小空間に依拠する置物を対置するのはたやすい。しかしながら理想的な公共空間も持たず、かといって伝統的な日本家屋にも住まない現在の我々が、一体どのような彫刻と生活空間の関係を想定しうるのか。この問題を真摯に追求していく時、無条件に前提としていた「自律的な彫刻空間」は、改めて問い直されねばならないだろう。