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2020年10月25日

●2020全国公開実技コンクール

「インタビュー企画第39弾」
 2020全国公開実技コンクール特集

                       担当 足立


ーすいどーばた美術学院講師8名の採点総評コメント掲載ー
各講師から、今回の公開コンクールについての総評を書いてもらいました。
それぞれの言葉をしっかりと受け止め、今後の制作の参考にしてもらえればと思います。




文章が送られてきた順に掲載します。


すいどーばた美術学院 彫刻科講師 田中綾子

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みなさん、お疲れ様でした。

普段と違う状況では、肩に力が入った人も多かったのではないでしょうか。
真剣に取り組んでいるからこそ緊張するのだと思いますので、緊張すること自体は仕方のないことです。

しかしそんな中で、押さえるべきポイントはどこか、狙いはどうするか、その為には何をすべきか、今自分のデッサンはどうなっているか、そういった判断を的確にできるかどうかが試験では大切なのかもしれません。

狂いが残っているのに無理にまとめようとしてしまうと、違和感がハッキリとするばかりで、いくら描き込んでもモチーフからは遠ざかってしまいます。
ばっちり合っていて、絵としてもカッコよければそれに越したことはありませんが、上手くいっていない時には適切な仕事を選ぶ力が必要なのだと思います。

まずは自分の緊張とデッサンの違和感に早く気づくこと、そして慌てず対処することを心がければ、きっと良い方向に向かっていけると思います。



すいどーばた美術学院 彫刻科講師 アイザック レオン

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お疲れ様です。


実技には判断力が必要です。
並べられたデッサンは構図からの狂いがほとんどでした。
早い段階でそれに気付けたのに直さなかったのか、そもそも気付かなかったのか、どちらにせよ冷静な判断は感じられませんでした。

とりあえず、今は結果が出る事が全てではありません。失敗からしっかり学んでください。
時間の使い方人それぞれ、有意義に使えるかどうかは皆さん次第です。



すいどーばた美術学院 彫刻科主任 西島雄志

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採点しての感想としては、アトリエの空間や光などの環境を感じ取れている作品が少ないですね。
形が合っているかとか、顔が似ているかとかも大事ですが、作品からその場の「臨場感」が伝わるか?ということが、結構大事な要素ですよね。
1位のデッサンは顔がもうちょっと似て欲しかったですが、空気感や光の質、視点など作者の感じた臨場感が伝わってきました。
他の皆さんもそういうところを大事にして、デッサンを一枚の「絵」として見るようにすると、多分今まで見えなかったことが見えてくると思いますよ。
明日からまた新たな課題を持って「日々是精進」してください。




すいどーばた美術学院 彫刻科講師 田中地平

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ぐるっと一周見てまわって率直に今回はレベルが低いと感じました。
形が合っているものがなかったことや炭が濁ってしまっていて顔が似ていないデッサンが多くあり第一印象が悪かったからです。
本番の試験のことを考えると周りに埋もれないデッサンがいいですが、今回は皆、力みがあり画面内の調子が崩れて遠目の印象が悪くなっていたため同じようなデッサンに見えました。

逆に、遠目の印象を良くすると並べて見たときにも目立つデッサンになると思います。
本番の緊張する場面では当たり前のことを当たり前にこなすことは皆が出来ることでは無いと思います。
客観的な視点があれば正しい判断ができるので大きく狂うこともないです。高い集中力も大事ですが客観性も同じくらい大事です。是非、緊張する場面で自分の力が出せる人になってください。
頑張って下さい。


すいどーばた美術学院 彫刻科講師 秋吉怜

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みなさんお疲れさまでした。

 なかなか一筋縄ではいかない。ぼくの中でジョルジョはそんな印象のあるモチーフです。
だからこそ、最後の最後まで粘ってモチーフに寄り添って欲しかった、、そんなことを採点しながら感じていました。

 この時期に6hはタイトかなと思いますが、狂ったまま描きにいってしまったデッサンが上位から下位までほとんどです。そのため今回の採点では、改めて構図と、それから彫刻科には押さえて欲しい“箱”としての見方・表現ができているかを基準に決めていきました。中盤以降の作品にはその狂いに立ち向かっていこうとしてるものから点をつけていきました。
 魅力的な表現も大切ですが、いま一度初心に帰ってデッサンに向き合えるといいですね。

 出来ることはまだまだあります。やろうと思えば必ず出来ます。まずはそこから始めましょう!


すいどーばた美術学院 彫刻科講師 阿部光成

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皆さんお疲れ様でした。

まず、このコロナ禍のなか、沢山の参加ありがとうございました。積極的な姿勢いいですね!

さて実技ですが、アトリエに入って感じたのは
ザワザワと落ち着きの無いデッサンが多いな?と感じました。
気合の空回りというのでしょうか?

これまでしっかりと準備をしてきたと思いますが
それを活かせる別の準備が足りないのでないでしょうか?
それは実技だけではない物事の考え方や捉え方だと思います。

僕は趣味で山に登りますが、スケジュールを守ることに
頭が一杯になり、せっかくの風景を眺めていなかったなんて
ガッカリすることがあります。。。

皆さんはどうだったでしょうか?
静かに呼吸しながらモチーフや実技を眺める時間がありましたか?

登山も何でもそうですが、苦しい、だから喜びもあります。
達成してくださいね!


すいどーばた美術学院 彫刻科講師 足立仁史

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みなさんお疲れ様でした。

今回は顔が似ていると言えるデッサンが少ないのが気になりました。
なんだかんだ言ってもやっぱり顔の印象はデッサンの評価に大きく影響してきます。
形を合わせよう、描写しようと意識し過ぎるとなかなか上手く行きません、しっかりと観察してジョルジュっぽく描くという事が大切です。
最後までモチーフの特徴やどういう見え方をしているか、シンプルなところに戻って冷静に判断していきましょう。


すいどーばた美術学院 彫刻科講師 小川寛之

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皆さん、お疲れさまでした。

毎年思う所ですが、見応えのする作品をもっと多く見たかったです。

採点の前の見渡した印象は、とにかく黒い絵が多い。
こんなに絵が濁っていると間違いになかなか気付けないだろうと思いました。

皆さん、冷静に振り返えりましょう。

実際この様な景色に見えていたのか?
完成のイメージはしっかり出来ていのたか?
こう描きたかったのか?

この先、表現する立場として魅力的な作品を産み出していかなくてはいけません。
イメージを高いレベルに持っていき、自信のある炭を動かしていきましょう。

あと4カ月、観察力と表現力の両方を磨いてくださいね。

頑張ってください。


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受験生の皆さん、コンクールお疲れさまでした。
以上8名の講師の総評でした。心に留まる言葉があれば、大切にしてください。
残り4ヶ月、しっかり力をつけましょう!