2020合格者体験記特集

「インタビュー企画第38弾」
 2020合格者体験記特集


2020年度の合格体験記をまとめました。
それぞれにリアリティーがあります。
参考にしてください。
それぞれの作品とともにご紹介します。
また、今年は数名の保護者の方に<見守り体験記>も書いていただきました。






小野陸くん
兵庫・私立神港学園高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
東京造形大学 彫刻専攻領域
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「自分になる」

読み飛ばしてくれてかまいません
あなたのことは僕は何にもわからない
あなたのことはあなたしかわからない
理解なんてされなくていいから自分のために自分で決めてください
他人は無責任だから


これが僕の三浪でした。




<見守り体験記>
小野康子さん
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「東京ってとこは...」

兄は2年間、弟は3年間のどばた生活でした。
初めてどばたの門をたたいたのは、兄が17歳の夏でした。
美術界のことを「食っていけない軟弱な世界」とみていた私の目のまえに、
年齢も性別も超えた「志」のかたまりがありました。
講師の人たちは、ちょっと見た目やんちゃで剛腕な男たちと若い女性陣。
今まで、見たこともない光景でした。
美術に身も心も削って、真剣に取り組んでいる人たちがここにいる。
息子たちにとって、なりたい大人がここにいたのです。

地方出身者は、この講師陣に支えられることになります。
実際、弟は高校生のころ、地元の画塾になじめず、苦しんだ経験がありましたから
生活面での乱れや心の状態を気にかけ、言葉かけをしてくださった講師の皆さまには、心より感謝しています。

子どもの様子が知りたいと、日に何度もドバチョウブログを開けるのですが、
探すイニシャルが見つからない日々。
自刻像や友人像を何度も見ているうちに、その人たちと、一方的に勝手に
知り合いになってました。

東京に出したこと?、大正解でしたね。
「親は子の足かせにならない」これ、私の母からの教えです。
二人とも、どんどん遠くへ飛んでいけ!

                        神戸より






飯島羽香さん
東京・都立総合芸術高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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「呑まれない」

物事をシンプルに考える。
確実に合格を掴み取る為に自分が何をするべきなのかどこが弱みでどこが強みなのかを考えて、冷静に当たり前の事を当たり前にこなす。
でも自分が感動したこと表現したいと思った事は絶対に逃さない。
日頃から技術面でも精神面でも自分の中に芯を持って決して人と馴れ合わない流されない。       
頑張り方を考える。汗水垂らして頑張るだけが全てじゃない。自分がやるべき事を自分のペースでやる。 
受験は運任せじゃない。しっかりと基礎を固めて自分のベストを尽くせれば結果は後から付いてくる。
最後まで諦めない。最後までどうすれば良いものにできるかを考える。そういう事を一年間続ければ気付かないうちに高い所に行ける筈。結局信じられるのは自分。その自分が折れない為にも自分が好きだと思える実技を重ねる。時には息を抜いて楽しむ心を思い出す。一年後どんな春を迎えるか、全ては自分次第です。






松本康平くん
千葉・県立成東高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
東京造形大学 彫刻専攻領域
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「頑張ったよね。」

朝5時40分、遅くても6時に家を出る。
毎日2時間もかけて通学。
往復4時間。6日で24時間。それが2年間。

何時間電車に乗ってんだ。もう通学だけで疲れます。遅刻してくるやつ頭おかしいです。
2年も実家から通ってる僕のほうがおかしいかもしれません。 


初めてどばたでつくった彫刻1はまさかの卵。
初めてのB°はまさかの丸パクリ。
もう希望が見えませんでした。
孵化する気配?もちろんありません。

3浪の試験前日、15時間作って初めての塑造本撮影。
まさかの本番では同じモチーフのブルータス模刻。
いける!と思いきや落ちてしまいます。
4浪の初めてのコンクール、ブルータスの模刻で1位。なんでやねん。

バレーボール大会、まさかのMVP。
もはや美術関係ありません。


センター試験も必死こいて4割。
サイコロに運命をまかせます。

年下が多く、僕の扱いはおじいちゃんです。 
あだ名は浪害。
幼馴染と1年ぶりにあった最初の一言、
老けたなお前。
傷つきますよね。

最後に、
4浪もしてるのにそれっぽい実技も残せず、
みんなに見せられたのは遅刻しないことと実技への姿勢くらいでした。申し訳ないです。
むしろ刺激をもらってばかりでした、
ありがとう。
先生にも感謝しきれません。
親には1番感謝しています。
もう2時間もかけて通学しません。
毎日作ってくれる弁当、おいしかったです。

そして、僕!4年間よく耐えた、頑張った!
まぁ、大学入っても年長組だからおじいちゃん扱いは変わらない。






一條月さん
埼玉・県立芸術総合高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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「受験美術を楽しむ」

現役で受けた試験は一次落ちで
一浪を許してもらい、春夏、毎日毎日何となく課題をこなしていました。
秋、公開コンの講評の夜、このままだと去年と同じように一次落ちだななんて思って今までのなんとなく課題をこなす自分とは決別して、それからはちゃんと意識を変えて、シャキっと真面目に取り組みました。

デッサンでも粘土でも自分の作品として、責任を持って仕事をするようになりました。
受験生ではなく、芸術家として、表現者として、人を魅せれる実技をする
この意識のおかげで私は変われたんだと思います。

受験美術が楽しくない、苦しいと思う人も沢山いるとおもいます。浪人を楽しく過ごすために、自分が表現者ということを思い出して、自分が好きな絵にするために木炭を変えてみようかな、とか、カッコいい粘土が作れるように粘土付を研究してよう、とか色々やってみるといいかもしれません。
その感性を鍛えるためには参考作品を沢山みることもまた必要なことで、でも、あの人みたいなデッサンが描きたい!とか、こういう粘土付にしよう!とか、そういうのはまたちょっと違くて...
自分の元々持つ感性を大事にしながら成長していくことがやっぱり一番大切だと思います。

私と同じように悩む人は結構多いと思うので、何か参考になれたら嬉しいです。
コツをつかんだ!という感覚が私にはあったので、きっとそういう感覚になったら安定し始めるサインだと思います。
慢心せずに毎日全力でやれば大丈夫です。

一人じゃ何も出来ない私でしたが、家族、講師、友達...色々な人からの支えがあったお陰で、憧れの芸大に一浪で合格することが出来ました。
本当に本当にありがとうございました。




<見守り体験記>
一條一久
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「奇跡の再会」

娘は幼い頃から絵が好きな子でした
中学2年生になる頃には既に本人が希望する学校があり(芸術総合高校)
本人の強い意志が感じられました。

希望の芸術総合高校合格して
本格的に芸術を学び始めると通学時間が長いので大変だと思うのですが弱音も吐かず
頑張る姿には感動しました。

私には芸術の経験も知識も何もないので何か力になれないかと考える事もありました。
そんな時、30年ぶりに中学時代の同窓会がありました。そこで偶然にもイラストレーター兼、美術予備校講師(ドバタ)になっていた親友と再会したのが全てでした。
「これは運命か?」と思ったものでした。
私は早速、娘の相談をすると本当に熱心に色々とご指導頂きました。
そこで予備校の大切さも知ることができました。娘の夢も次のステップに向かう決意ができたようで、次の目標を芸大に定めました。
技術面、精神面のスキルアップをすいどーばた美術学院の指導者のご指導のもと、目標の芸大に無事合格する事が出来ました。多くの人に出会いに支えられ娘は幸せ者です。
次の目標に向け前進する娘をこれからも、ずっと見守りたいと思います。






増田充高くん
東京・都立総合芸術高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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「芯」

すいどーばたには高校受験をするため中学生コースから通い始めました。はじめはデッサンという概念を初めて知り、まわりを見てどう描けばいいか整理することでいっぱいでしたがその後なんとか高校に合格することができました。
高校二年生からまたすいどーばたの基礎科に通いはじめ、冬頃に彫刻と出合いました。はじめは高校と予備校共に油画を専攻していましたが、どう自分のマインドを表現して良いかわからず周りを気にしてばかりで打ち込めずにいた僕は他に何か選択肢はないか、と思い当時気になっていた彫刻を体験しました。
その時とても楽しく制作に打ち込めた記憶がいまでも残っています。
受験科に移り、将来の事や進路など本格的に意識しはじめた頃いつしか自分の中で無意識下に"競争することへの重圧感"が生まれプレッシャーを感じ始めました。
プレッシャーはいつしか周りに対しての羞恥心に変わり、自分を発信するためいつも真の抜けた目立つ行為ばかりしていました。
現役生の時は芸大一本で一次落ちという結果になり悔しさよりも恥ずかしさの方が上回っていました。
一浪の時もいつも羞恥心に苛まれていました。
理想のカッコよくてクールな自分を思い描いてそれを演じようとしていたんだと思います。
自分が現役生の頃に見たキラキラ輝いた浪人生の先輩たちをみて。
自分をみつめることを怖れた自分は表面的なことばかり意識していつまでも"芯"を得られずそのまま入試を迎えました。
一次は通過できたものの、"芯"のない僕は二次試験で大きく崩れ落ち不合格となりました。
心棒のない塑像のような状態だったんだと思います。
同期の多くが合格していく中また羞恥心に苛まれましたが、この頃から本当に悔しいと思える感情が湧き出したと思います。
二浪になってからは、受験科の中でもある程度の立ち位置へと変わり、その立場が僕を成長させました。
羞恥心は悔しさに変わり自分の日々のやる気を掻き立てました。
羞恥心、悔しさと毎日向き合いながら"芯とは何かということを考えつづけ、入試本番直前になってようやく"芯"に少しだけ迫れたかもしれません。
その少しの経験が本番1次2次の両試験で僕の糧になりました。
作品というのは自分の分身だと思います。
人間性が強く出るんだと思います。
作品を通して自分を見つめ直すことが受験では大切なのかもしれないと、今になってではありますが強くそう感じています。
ある先生の「アトリエでは悩まず、外でたくさん悩みなさい。本番ギリギリまで考え悩みなさい。」という言葉に本当に救われました。
これから受験を迎えるみなさんも是非悩んでください。悩んだ末に得たものがきっとみなさんの強みに成るんだと信じています。
受験を迎える全ての受験生の合格を心から祈っています。






芦澤まりやさん
埼玉・県立春日部女子高等学校 現役
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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「ここから、つづく」

私は人より始めるのが圧倒的に遅かった。
 高校は普通科で、美術を目指し近隣の予備校に通い始めたのは高2の始め頃でした。高2の二学期になった頃、木炭に初めて触れました。その頃、その予備校の教務長に「芦澤は現役で藝大合格行けると思う。」と言われたことがきっかけで、藝大を目指すことを決めました。
 立体作品を作りたかったので、彫刻科を目指せる場所へと、高2の冬季講習で初めてどばたに来ました。周りのレベルがすごく高くて、常に磨かれる環境でした。高3の4月からは部活を辞め、夜間部に通いました。高校からどばたまでの距離が遠く、片道2時間を毎日放課後に通いました。その生活に慣れるまで、最初の3ヶ月が一番辛かったです。距離が遠いので、高校の7限や掃除があるだけでもたくさん遅刻して、ただでさえ美術を始めるのが人より遅かったのでそれがとても悔しくて、しかし言い訳にはしたくなかったので、一つ一つの課題で得るものを大切にして取り組みました。絶対に現役で合格したかったので、夜間部では常に1番を目指していました。上手く出来なかった時も、不調だとは認めず、次回に引き摺らないように根性で持ち直すようにしていました。
 実技は楽しくて好きです。毎回の成長を実感できたことや、講師から褒められたことが嬉しくて、作品を作ることはいつも楽しかったです。
 試験当日は、それまで積み重ねてきたものの延長に過ぎないという心構えで挑みました。とはいえ、やはり少し緊張したので、本番中も冷静に冷静にと言い聞かせていました。中でも彫刻1は、いいものが作れたと思います。
 合格発表の日。卒業式を終えたあとの教室で結果を見ました。自分の受験番号があることを確認して本当に安心しました。とても嬉しかったです。
 一年間一緒に実技を磨いて、本番前や試験が終わってからもたくさん応援したり勇気づけてくれた夜間部の友人たち、成長を助けてくれた講師の方々、学費を払ってくれて、毎日支えてくれた両親、とても感謝しています。ありがとうございました。


芦澤さんのインタビューはこちら→「現役芸大合格者に聞く! Part2!!」
合わせて読んでみてください。






中垣百恵さん
栃木・私立作新学院高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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「マジカルミステリーツアー」

無茶苦茶になっていたのであんまり覚えてないけど自分の浪人生活を振り返ってみる。

私はとにかくメンタルがダメな人間だ。

現役の冬に地元の先生に貴方に藝大は無理だと言われ、一浪の冬になっても全く結果の出せなかった私に自信などあるはずも無く、人に言われたことが全てになっていた。作品に自分の意思が無くなっていた。

全く実技が楽しくなくなっていた私は美術に向いてないのではないかと本気で悩んでいた。それでも辞める気は全く無い自分に気づき、遅いことはないもう一度始めからやり直そうと決意した。

元々下手くそでプライドもクソも無かったので、なりふり構わず色んなことを色んな人に聞いた。なんでもいいから活路を拓きたかった。

そしてやっと自分の作品は自分がどうにかしないとどうにもならないと気がづいた。言葉を変えると諦めたのかもしれない。しかし、気づいてしまえばすぐに結果が出るようになってきた。

18年間子供だった私は、この1年でやっと1歩踏み出せた気がする。

最後に、めんどくさくて騒がしい私を支えてくれた周囲の人達にとても感謝をしています。1人では絶対にここまで来れませんでした。
本当にありがとうございました。






谷内めぐみさん
群馬・私立新島学園高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
武蔵野美術大学 彫刻学科
東京造形大学 彫刻専攻領域
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「自分の中にあるもの」

友達と話してて、自分の話を否定されるとすんなり納得するというより、悲しかったり悔しかったりちょっとネガティブになります。
出来れば共感して欲しい。
共感して欲しいから丁寧に言葉を選んだり、決定打となるものを探します。
でも分かって欲しいからと無理矢理論破しても聞いてる側はでも間違って所もあるのでは?と真っ直ぐは受け取ってくれない。
こんなイメージと今までの自分の取り組みを重ねてみました。
共感してもらうためには相手に自分がいいと思ったものが1番よくみえるようにしたい。そのために実技の中にそれに注いだ情熱を残す事と、そこを言い切れるほどの自信を自分の中に持つ事を大事に取り組みました。
相手にみせることは大前提だけど、まずは自分が良いと思えるものを、自分で自信が持てるものを残そうと思っていました。
相手と自分でぐるぐるしながら結局は自分の中にある芯を大切にする。だって共感して欲しい内容は自分から発信しないといけないから。見苦しくならない程度に。
そんな事を受験生生活で学びました。






山田歩くん
東京・都立世田谷総合高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
武蔵野美術大学 彫刻学科
東京造形大学 彫刻専攻領域
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「気づく」
 自分は流されてここまでやってきました。
ノリとただ楽しいことをして生きてきました。
真剣に取り組んでる人たちを目の前にしていても何も思いませんでした。
自分は何も考えていませんでした。やってれば、このレールに乗っとけば受かると思っていました。
仲良かった友達がどんどん旅立ってやっと焦り始めました。なんで自分だけここにいるのか、なんで落ちてきたのか、自分は何がしたいのか、何者なのか、それを考えただけで何も考えてなかったことに気づくだけでなにかすごいことに気づいたような気がしていました。

「考える」
何も考えてなくてもうまくいく時があるけど、せっかくならなんでうまくいっているのか考えた実感を持った方が次につながると思いました。かといってうまくいったことをなぞるのも良くない、そんな行ったり来たりな曖昧な関係を思考と動作の間を行ったり来たりしていました。ただ行き詰まったら素材に全てを託せばいいんです。素材は嘘をつきません。
ここで大事なのはやはり考えることだと思います。わがままなのは素材だけでいいです。ギャーギャー言ってる素材を飼育してあげるだけでいいです。

 「知る」
 毎課題毎課題失敗してもいいと思います、なんで失敗したのか、なんでこれは成功したのかそれだけを気づいて知って次につなげていけばいいと思います。大失敗してしまった次を大成功を完成なんてさせなくていいです、気づいていればいいです、知って大成功がイメージできてればそれでいいんです。勝手に成功のイメージに近づいていきます。
 何も考えてないで分かってないこと、分かったフリが怖いんです。別に分かってればそれでいいんです、強がりじゃありません、本当に強いです。
自分は意外と弱いってことも分かってください、めちゃくちゃ緊張するってことも分かってください、分かれば強いです。

 常に気づいて考えてみて何か知れれば必ず自分納得のいく実技ができるようになると思います、そして必ず結果がついてきます。






赤尾智さん
東京・私立女子美術大学付属高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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「学び」

私はこの二年間の浪人生活の中で、何度も自分の弱さに直面してきました。
上手くいかない日が続くと自分の実技に限界を感じてしまい、自信を無くすこともありました。
だけどそんな時、どんなに苦しくても腐らずになんとかやってこれたのは、彫刻の道を選んだ自分を後悔させたくないという思いがあったからです。
この思いが、二年間、挫けそうになったときの支えとなっていました。
また、実技と向き合うことで出てくる悩みや迷いも、いつか自分の中でプラスに働くときがくると信じて制作し続けました。
自分を強くするには、どんな時でも戦い続けなければいけないと思ったからです。
こうして私は少しづつ弱さを克服していくことができました。

二浪の秋頃になるとだいぶ自分の気持ちをコントロール出来るようになり、常にフラットな心で毎日過ごせました。それが実技にもいい影響を与えていたのだと思います。

どばたで学んだたくさんのことを忘れずに、これからも忍耐強く生きていきます。

そして基礎科 夜間部 昼間部でお世話になった先生方、本当にありがとうごさいました。






相原彩七さん
静岡・県立清水南高等学校 現役
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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「受験をしてわかったこと」

たくさん挫折をした入直でした。行って挫折することが思い浮かぶから予備校に行きたくないくらいでした。周りは上手くて楽しそうで上手くいかないことばかりの人からしたらコンクールで自分より上の人は悩んでることも伝わってるけどキラキラして見えてました。周りとたくさん自分を比べて疲れてましたし、落ち込みました。だからこそ私は試験日が嬉しくてたまらなかったです。もうこんなつらい思いしなくて済む事が嬉しくて試験本番が楽しみでした。一次は全然予備校で成績が良く無かったので自信はなかったし、まぁ実績で受かる訳ないなと何のプレッシャーも無かったです。もうただ楽しくて自分のことしか考えられない、目に入らない、気にならない、その日の自分のことしか眼中に無い、そんな感じでした。ずっと受かりたい気持ちで前日まで居たけど当日は前日までを振り返って受かんないって確信したからこそのプレッシャーが無い、一切邪念も欲望もないデッサンをしました。ただ見て描くそれだけの時間でした。


予備校に行き始めた時は高校の仲間との差を少しでも作りたかったからだし、むかつく人を負かしたいと思って彫刻をやってた時もあったし、周りと比べて劣って落ち込んで彫刻をやってた時もあって、そんな他人の事を意識し過ぎな制作方法を辞めたからこその結果でしか無いと思いました。周りと比べないでいるだけで気持ちは楽になるし、捨て身になって尽力できるから誰にも左右されない方が良いとわかりました。






谷口笙子さん
京都・市立銅駝美術工芸高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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「自信を育てた場所」

私は三浪で合格しました。
京都出身で、浪人から関東に出ました。
二浪から三浪で1度予備校を変えて夏期講習からすいどーばた彫刻に来ました。

合格体験記ということですが、
これを読んで何か引っかかった少数の人の行動するきっかけになる可能性に期待しつつ
当てはまらない人の方が多いだろうけど、
私は前の自分に助言できるとしたら伝えたいことを書いてみます。

あなた自身の感覚を、あなたがたった1人でいる時にあなたが信じられるようになること
それが自信です
それが世界と噛み合うまで、努力でその精度を上げれば、藝大彫刻科には受かります。
自信はあなたそのものだけに依拠してるので、時間は関係ありません。
言いかえれば、
過去のこと、現役とか何浪とか、実績、コンクールの結果とかは、データとして利用する以上の価値は無いのではないかと思います。

私はとにかく自信を育てるのが不得意でした。ずっと自信がなかったです。
特段メンタルが変わらなくてもひたすら上手くなれば受かる人はいます。
つまり最初から自信があるタイプです。
仮に、そういうタイプじゃないと自覚しているなら、受験というシビアで自由な期間に変われたらめっちゃ得だなくらいの気概で少し挑戦してみるとよりいい方向に行けるかもしれません。

彫刻に向いてないとか、自分みたいな人間にはそもそも資格がないように思い込んでいた、すぐ逃げる弱すぎる自分でも、時間を要したけど変わることが出来ました。正直、それが合格以上にとても嬉しかった。
そのためには、さっきと矛盾しているように見えますが、それ以上の価値が無いと言ったデータを得られる環境が必要だったんだと思います。
自分自身の内側の自信の欠片と、外側の世界のデータを擦り合わせて磨いていくことが私の浪人生活そのものだったからです。
そのデータを得る為の場所としては、今の所すいどーばた彫刻科を超えられる所は無いかもしれません。

講師にどんなことを言われてもどんな評価を取ろうとも自分自身が自分のことを1番理解して成長させていってあげてください。 それはあなた一人にしかできない事だからです。
そんなことは最初から知ってる という方には、すみません。私は三浪するまで知らなかった。

自分の感覚を信じられるようになって不断の努力で頑張りましょう。








みなさん体験記ありがとうございました。
これからの受験生の参考になれば幸いです。