●東雲のドライブ
先日夜中に家族に起こされた。
「次男の具合が悪いの、救急病院に連れてってほしい!」
こういう場合すぐに飛び起き、容態を確認し、落ち着きながらしかるべき行動に移るようにしている。日頃の怠慢を帳消しにするかのように・・・
時刻は明け方の4:00、一日で一番さむい時間帯ではないか?車の準備をしながら手足が次第にかじかむ。
「今年の春は寒すぎる!しかも昨日は雪が降っていたではないか!」
逆上ぎみに一人叫ぶ。長男ひとり置いておくわけにはいかないので、熟睡中だが布団にくるんだまま車に詰め込む。
程なくして病院に到着。そこは桜並木に面している高台のとても気持ちの良い場所なので、本来の目的以外に度々散歩に訪れていた。
無用な院内感染を避ける為に長男と二人で布団にくるまりながら車中で待つことにした。そんな中、時間と共に外はゆっくりと確実に明るくなっていった。
「ドンドンあかるくなるネー朝がくるんだネー」
「こういうの朝明けって言うんだよ」
「・・・・・ふーん」
そんな会話をしながら、しばし日の出を眺めていた。
夜と朝を繋ぐ時間帯。神秘的な光はあまりにも劇的過ぎて、時間(日常)を感じないまま流れていく。
目下の状況(次男の容態)は気になるが、これはこれで、たまには味わいたい朝のひとときだなと思った。
たとえば、あえて米を炊くのに鍋と焚き火、野菜はもぎたて、魚は自分で採ったモノを、毎日は難しいけど口に運ぶまでのストーリーなど、日常と少しかえてみるだけで改めて感じる事は沢山あります。それはモノをみる視点が変わるキッカケにもなりますね。
※その後、僕と長男が家族の中で重症化してしまいました。(ナゼ?)ご迷惑をかけた方々スミマセン。
山頂だと太陽のスバラシさを改めて感じます。 阿部光成