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2011年10月05日

●秋から冬へ

しーんと静まりかえるアトリエ、ザラザラと木炭が紙の上を滑る音が聞こえる。バチンと響く音、粘土が張り付いていく。そこには何人もいるはずだが、ざわついてはいない。ただ集中した時でしか聞こえてこない音が耳の奥でぴーと鳴る。緊張した空気。
すこしずつ冬に近づいてきた。

感受性の高い年頃の学生は今アトリエで貴重な時間を費やしている。そんな中、自分は上手くなっているのか?大学に受かるのか?5年後は?将来は?漠然とした不安を抱えながら目の前の実技を精一杯がんばることで、それを払いのけようとしているように感じる。未来の自分はのちに今の自分を肯定してくれるのだろうか?未然にふせけず起こってしまった事を受け止めることも大切、だが、未来の自分にはけっして後悔はしてほしくない。

寒くなってくると自分と対話することが多くなる。感傷的なり、詩的にもなる。恥ずかしくなってしまいときには自分をちゃかす。
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授業後のアトリエ 緊張感の名残りを感じる

ひとつのピークとして重要視していた公開コンクールがひと月後に迫った。時間は十分にある。与えられた空間、まわりにいるライバル、結果を残すために秋を丁寧に使ってもらいたい。
                    阿部光成