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2010年05月17日

●場との呼吸

 僕は栃木県益子町という焼き物の盛んな町で主に彫刻をしています。その中でも30年以上も景色の変わらない(地元のおじちゃん談)山本地区という所です。
 基本的にズボラな僕は田舎くらしで重要な草刈の類をナチュラリストを気取ってサボってしまいます。結果隣のおじちゃんや大家さんに迷惑をかけています。しかし一度やりだすと人が変わったように徹底的にやってしまい、そうやって気持ちよくなった家の周りや庭に親しみを覚え寝転びながら草花、虫を眺めたり、食事をしたりと実に家の外とのキョリが近くなるのです。
 今僕は今年7月の海の日に向けて野外展を企画、運営をしていて隣町の茂木町にあるキャンプ場を借りてやっています。(赤ちゃんみたいな小さな規模の野外展です!)会場はもともと草はボウボウ、竹害はあり、ゴミの不法投棄もありました。そこを参加メンバーで整備をしています。のちのち自分の作品を展開する場なだけに、みんなイメージを膨らませながら真剣に場所つくりをします。そうやって展示スペース自体から作り上げるトコロにねらいがあります。
 場所のよしあしを含め、作品は作家とその展示される場との関係でそれ相当に輝きをもたらします。ギャラリー、美術館など、そして僕がやっているようなおよそ不向きな場所でも展示できる場は無限です。大切なのはキャリア関係なく、その時その時の自分のリアリティーに耳を傾けながら作品と展示スペースのシンクロを感じる事だと思います。
 来月に迫った自由制作。みんなの自由にそしてシビアな作品に期待します!

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切り取られ、並んだ、篠竹たち              阿部光成