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2011年06月08日

●ジパング展 吉田朗の作品を観て。

先日、日本橋高島屋で開催中のジパング展を観て来た。
ミヅマアートギャラリーのディレクター三潴末雄さんが中心となって企画されたこの「ジパング展」。
今、注目されている現代美術作家の作品が多数出品されている。
日本のアート市場を知る上で見逃す訳にはいかない展示である。
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選ばれた31人の作家の中には、まだ若い30代の作家も何人か含まれている。
その中に、すいどーばたの講師である吉田朗が選ばれている。
私は、吉田の作品が好きで、「連載彫刻シリーズ」をすべて観た数少ないファンの一人である。
個人的には、「犬張り子シリーズ」のほうが、見た目とメッセージのギャップがあり面白いと思うのだが、今回は吉田のメッセージがストレートに一番強く含まれている「ボサツX、ボサツZ」が展示されている。どちらの作品にしても、完成度、メッセージ性、彫刻的な形態、すべての質の高さは目を見張るものがある。売れっ子作家の中にあっても決して見劣りすることのない作品である。
内輪で褒めてばかりで気持ち悪い感じもするが、私の率直な感想である。
皆さんも是非、足を運んでみてください。

オフィシャルHPジパング展

詳しい情報は展覧会情報

日本橋高島屋の8階ホールでこういった現代美術の展示をするのは初めてだそうだ。
ミュージアムショップ並みに展覧会グッズが並んでいたあたりにも高島屋の意気込みを感じる。20日まで。
                西嶋雄志

2010年12月28日

●冬休み

冬季講習も明日で終わりですね。お疲れさまでした。実技漬けの毎日で心身ともにエネルギーを使い果たしたのではないでしょうか。
短いですが冬休みがあります。それぞれ英気を養って新年の入試直前講座に備えてください。
おすすめ展覧会の情報をいくつかご紹介しますので、見に行くのも良いでしょう。

小谷元彦展 幽体の知覚
11月27日-2011年2月27日
森美術館
詳細はこちら

ある造形家の足跡 佐藤忠良展
彫刻から素描・絵本原画まで:1940-2009
12月23日-2011年3月6日 1階展示室
世田谷美術館
詳細はこちら

加藤 泉  日々に問う
9月18日-2011年1月30日
彫刻の森美術館
詳細はこちら

『DOMANI・明日展2010』
未来を担う美術家たち<文化庁在外研修の成果>
国立新美術館
詳細はこちら

2010年12月22日

●オープニング Re:2010 〜さかのぼるプロセス - from worktable 〜

すいどーばたの彫刻科教員によるグループ展が今日から始まりました。
作業台に見立てた展示台に、作品の他にも制作途中のものを置いたり、壁にはドローイングやメモを大量に貼り出して、作品が出来上がるまでのプロセスを追えるような展示になっています。また、搬入時から空間が出来上がるまでの様子を撮影し、スライドショーで状況の変化を視覚化しています。
出展者全員が、こうした新しい展示への試みを楽しみながら取り組めたこと、そしてその状況を内包した空間を成立させたことは、今後の制作に生きるのではないかと思います。
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オープニングには多数の学生が来てくれました。普段指導している講師やお世話になっている教務さんのことが、別の側面から見れたのではないでしょうか。
おおいに刺激を受けてくれたらと思います。
講習会後期もエネルギッシュに制作してください。
                          西嶋雄志

2010年12月11日

●展覧会に行こう!!デューラー

先日上野の国立西洋美術館にアルブレヒト・デューラー(1471-1528年)版画・素描展を見に行きました。

阿部は以前からデューラーが大好きなのですが、実物をしっかり見た回数は少なく今回のこの展覧会はその希少性から相当に期待していました。作品総計なんと157点!ボリュームがあります。その緻密な作品をしっかり見るには多くの時間と体力が必要です。版画ですので基本は線描になります。一本一本の線が整理されながらリズミカルに走り、デューラーの世界観が表現されています。「ハーフトーンを使わずによくこれほどまで!!」感嘆してしまいます。脱帽ものです。デジタル1眼の最高峰EOS1Ds Mark IIIでもってしてもこの再現力にはなかなか追いつけないと思います。

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メレンコリア1

見る時のポイントとしては、普段のようにデッサンを描いている時の意識で見てみて下さい。うわーってびっくりすると思いますが、デューラーだってみんなと同じ人間ですからね。阿部はデューラーを見ると人間の可能性を改めて感じ、元気がでます。ぜひみなさんも足を運んでみて下さい!!実技の励みになると思います。デューラーの高次元を体感しよう!!

国立西洋美術館 2011年1月16日まで
※学生450円 夜間部の高校生(または18歳未満)はなんと無料!!(うらやましい)
※金曜日は夜8:00までやっています。(行けるね)

                         阿部光成

2010年09月22日

●展覧会に行こう!

京橋にあるブリヂストン美術館でヘンリームーア(1898−1986)展が開催されています。ヘンリームーアは20世紀を代表するイギリスの彫刻家です。世界的に野外彫刻、モニュメンタルな作品で特に有名です。

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その大きな仕事とは対照的に制作の根本は自然との融和であったり、石や骨からインスピレーションを得る原始的な仕事です。派手や奇抜、アバンギャルド性とは距離を感じるところに、ムーアの目指す深い思考が見え隠れします。彫刻を志す人はムーアのようなトラディショナルな作品を是非見ておきたいところです。今回は立体のほか、平面の作品も見られます。彫刻家のデッサンも興味深い所です。
                    阿部

2010年05月20日

●特別展「佐藤忠良展」

川越市美術館にて日本を代表する具象彫刻家、御歳98歳の佐藤忠良さんの彫刻展が開催されています。
彫刻をやるなら一度はまとめて観ておきたい作家さんです。巨匠です。
興味をもったらすぐ行動!行ってみよう!

平成22年度市町村立美術館活性化事業
第11回共同巡回展
宮城県美術館 佐藤忠良記念館所蔵
佐藤忠良展

2010.4.17(土)ー 6.6(日)

詳しくは
特別展「佐藤忠良展」まで

                        西嶋雄志

2010年04月30日

●クラス決め。

今日夕方から講師会議を開き、ゴールデンウイーク明けからの新クラスのメンバーを決めました。
例年と違う分け方をしましたので、皆さん楽しみにしていてください。
詳しくは5月6日朝のレクチャーのときにお知らせします。

それにしても今日のコンクールの全体講評は全然うまく話せなかった・・・。
緊張したのか、慣れない主任として力が入ったのか・・・、クドくなってしまった。深く反省です。
そのうち慣れるので勘弁を。
↓こんな風にふさぎ込んでいます。
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画像は春休みに行った彫刻の森美術館で撮ったゴームリーの作品。
私の好きな作家です。            西嶋雄志

2010年04月20日

●西嶋雄志展 ー光りと存在とー

18日で、私の個展 -光と存在と- が終了し、今日作品を搬出してきました。
遠いところ足を運んでくださった皆様方、ありがとうございました。
会期中は記録的な強い風が吹いたり、とても暖かい日が続いたと思ったら、この時
期に雪がふったり。景色も日に日に緑が増え、花が次々と咲き、田んぼは
耕されと、行くたびに変化を楽しむことができました。
屋外に作品を展示したのは初めてだったので、いろいろ勉強に、なりまし
た。
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今回展示させていただいたメタルアートミュージアム 光の谷という美術館は、館長の北詰さんの私財で彫刻の展示のために作られ、娘さんの美和子さんと二人で管理運営されている彫刻家にとって、とても貴重な場所です。
天井が高く、光を多く取り込み、手入れの行き届いた庭は野外展示に使われ、印旛の景色も含めたとても気持ち良い空間です。
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常設の展示は北詰さんが長い時間をかけて収集した佐倉ゆかりの鋳金作家 香取秀真と津田信夫とその周辺の作家の作品300点のなかから入れ替えて展示され、企画の現代アートはひと月ごとに作家をピックアップして展示し、ケーブルTVに取材に来てもらい放映してもらったりして作家をバックアップしてくれます。
開館から15年になりますが、そのころにちょうど中瀬さんがすいどーばたの主任になったころで、この場所で個展を開き、当時のすいどーばたの学生を多数案内したそうです。
個人でこういった場所を維持するのは大変なことです。
私たちにできることは、良い作品つくり、多くの人に足を運んでもらうことです。
これから大学に入る皆さんも縁があればこちらで展示することになるかもしれません。
そのときには心して展示に向かってほしいと思います。
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メタルアートミュージアム 光の谷

西嶋雄志