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2010年06月29日

●夏季講習会のおすすめ! と テラコッタコース!

●夏季講習会のおすすめは?
先週末、学生のリクエストに応えて、夜間部でdemonstrationをしました。この課題は、「自分で自由に断片化をイメージしてモチーフを描く」というちょっと変わった課題です。自分で形を立体として、しっかりイメージしておく。という勉強になります。(木炭デッサン)

始めに、構図を決めるときから、スケッチブック上で断片化を考えておくことがポイントです。
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これで、1時間41分、経過。まだ、試験では、残り4時間19分あるので、これから素直な観察表現と、質感も出していけますね!円盤投げらしさも当然、重要なポイントですね。
夏季講習会でも、こういった学生のリクエストに応えます。お楽しみに!!

僕は「パースと光」のゼミを担当致します。みなさんお誘いの上、ご参加下さい。
その他、人体、手、自画像、動物など、ためになる必須課題が盛り沢山の夏季ゼミです!
夜間のコースなので、昼間は実戦、夜はゼミで知識も付ける!なんて、バランス良いですよね。先生たちもみんなのために頑張りますよ。自分の苦手課題をこれで克服ですね!(^v^)/

●テラコッタ
先日の日曜日、6/27。3回目のテラコッタコースがありました。
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参加者のみんなとても良い集中力で、驚くほどです。自分のオリジナル作品が出来る喜びを感じていることでしょう!講座後、窯場へみんなで運んで、昨日、1回目のあぶりと焼成を行いました。
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まず半分は、無事に焼けています。残りの半分は7/1以降に焼成します。来週が最後のテラコッタコースですが、作品の完成後、学生の作品を(7/4〜10)に展示しますので、そちらもお楽しみに!!
                       竹花 哲

2010年06月22日

●自由の行き先

20日で彫刻科昼間部生による自由制作展が終了した。
全力で出し切った「自由」の行き先は様々。

一日の展示のみだったこの作品は
すいどーばたのお隣のカフェでこのように展示され、
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今はこのように展示されている。
この展示は多分長期にわたる。
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石膏で作ったこのレリーフ状の作品は、
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持ち帰ることが出来ない程重く、解体することに。
その前に「再生する街」というこの作品は別のカタチに変化した。
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男子トイレにあったこの作品は、
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今はもうなく、何か寂しい。
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「ここにはいつも何かあってもいいのではないか?」
という提案を残しているように感じるのは私だけだろうか。
                    西嶋雄志

2010年06月13日

●自由を探る。

主要な美術大学の彫刻科の受験では水粘土を使った彫刻の試験がある。
彫刻をまことに大雑把に分類すると「カービング(削る)」と「モデリング(盛る)」に分けられるのだが、受験で出題されるのはほとんどこの「モデリング」のほうである。
水粘土を使った「モデリング」を「彫塑」あるいは「塑造」と呼ぶが、何故「彫塑」が受験に出題されるかというと、基礎的な立体感覚の確認がしやすく、個性も見ることができるから。
「彫塑」の利点をいくつかあげると、「手」以外に道具をあまり使わず、短時間である程度形になり、粘土を取ったり付けたりのやりとりをしながら制作ができる。また、作り終わったら壊してまた別のものを作れ、経済的にも優れているため、習作にはもってこいである。
だから、当然この予備校でもほとんどの立体制作は「彫塑」である。

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しかし、「カービング」でないと味わえない彫刻の魅力もある。簡単には形にならない硬い素材との格闘、固まりの中に形を見つけるデッサン力、それらを段取りする計画性など非常に面白い。
そういったこともあり以前から授業の中で「実材実習」として木か石をカービングする授業を一年に一回行ってきた。一週間程度の時間の中での課題なので大きさも両手に収まる程度のもの。
最初のうちは、テーマも「自分の体の一部」など観察したものを再現するというものだった。
限られたテーマや素材の中で、当時の学生は慣れない作業の中から面白い作品を生み出してくれた。
そんな中、時代の流れか数年前より学生の中から自由なテーマを求める声が上がり始めたので、初めてテーマを「自由」にし、素材に石膏も加えてみた。そうしたところ思っていた以上に内容や素材の扱いなど作品の幅が広がり、色を塗る学生やインスタレーションをする学生が現れ始めた。

ここまでくると、もう「カービング」とか「モデリング」といった枠も外し、それらも含めて表現方法自体から「自由」にしたほうが良いだろうということになった。

こういった流れの中で徐々にカタチを変えて出来上がってきた「自由制作」。
そしてそれらを発表する「自由制作展」を昨年から始めた。
では「自由」って何?
「自由」っていうのは難しい。何でもありというのとも違う。
予備校生が授業の中でこれをどう成立させるか。
制作時間、制作場所、展示空間、展示期間、予算、素材、準備期間などの限られた条件の中でいかに自分の表現ができるか。
コンセプトをどう探り出すか。社会に目が向く人もあれば、自己の深層を見つめる人もいる。素材から入る人もいる。日常のささやかなことに目を向ける人もいる。過去に遡る人もいる。
この「自由制作」では約一月の準備期間と一週間の制作時間と一週間(人によっては数時間)の展示期間とすいどーばた美術学院内での展示ということを条件としている。展示方法や展示場所、素材は場合によっては交渉次第。予算は自分との相談。作品プラン提出から設置希望書の提出もする。
これら全てをひっくるめて「自由制作」ということにしている。

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この一月余り「自由」を探った試行錯誤の結果がカタチとなって現れた作品たち。
その中でそれぞれの「足掻き」「もがき」が何とも言えずいい。
画廊や美術館で観る洗練されたものもいいが、この初めてに近い
捻り出された作品たちを観れるのは、私たち予備校講師の特権かもしれない。
まだ作品と伝えたいことがうまく結びついていなかったり、計画通りに進まず仕上がらなかったり、予算が足りず計画を変更したりしたものもあったが、皆それぞれに格闘した痕跡が素敵でした。

その痕跡の展示が20日までの間、観ることができる。
すいどーばたの内部のみの展示だが、最終日はOPENコンクール
となっているので、参加者は昼休みや採点中に観ることができるので
覗いてみてください。

最後に、今回各講師と教務さんにそれぞれ賞を決めてもらうことにしたのだが
失敗だったかな。
それぞれすばらしくてとても選べないし選ぶ必要性もなかったかな。
無理に一つに絞っていただいた皆さんすみませんでした。
またまた反省です。
                     西嶋雄志

2010年06月02日

●鳥肌の立つ作品 at 谷中

いよいよ作品の設置が明日に迫り。。オープニングまで残す所3日。
緊張のあまり、一人電車やお家で、勝手に呼吸困難に陥ったりしております。。
そう、極度の緊張しーなんです。

気持ちの吐露はさて置き。
昨日、先生方や友人にDMをお渡しするべく、大学へ、(これまた緊張したのですが。。)顔を出して参りました。
懐かしい!大学を出てしまえば、身勝手なもので。いやー、このまま変わらないで欲しいなーなんて、じっと、石を彫る学生を眺めてみたり。 やっぱり、いいなぁ学生って!!!

いやいや、実はこれからが本題なのです。作品も、まだ追い込みがあり、アトリエへ向かいたい自分を押さえ、せっかく芸大まで来たのだから!と、帰り道とは勇んで逆行。
Let's 『 SCAI THE BATHHOUSE 』!行きたかったんです♪やっと来れました!!
アニッシュ カプーアの個展!!

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いやー。早速まとめを。
自分の展示前に行くもんじゃないです。作品の完成度の違いに、が、が、愕然ですよ。
さすが、ワールドワイドな作家さんです。
作品は、全部で5点。
5点、全てテイストが違い、(ステンレスのイリュージョナルなミラー状の作品。日本の漆職人さんとのコラボした石の彫刻など)どれを観ても、圧感でした!
(あくまでも、個人的な感想なので、あしからず)
何なのでしょうか!?あの発想。センス。凄み。人を作品に巻き込んで行きながらも、魅せる力!!
やはり、良かったなー”と思わせてもらえる作品には、ジェラシーが伴います。
簡単な事ではなく、作品が完成するまでの行程には、並外れた努力が必要であったろう事実は言うまでもないのですが。
あんな風に、イメージした物が形になるのは、素敵な事だなぁと感じました。同時に、なんと言う世界に私は居るのだろうか??と言う感動と恐怖もあり。。
しかし、とてつもない刺激を得た事は確かです!!作品を見る事は、大事ですねー。

残念ながら、展示作品は撮影禁止で、カタログも作っていないそうで。。これは行って見るしかないなと言う事で。。
『Anish Kapoor展』6月19日(土)まで開催中です!!※月・日・祝日はお休み。
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是非、興味のある方はWebで調べてみたり、実際に現地へ行き作品を観てみて下さい!! 多分?損はないと思います!

以上、随分遅くなってしまいましたが初の講師blogでした。 氷室幸子