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2011年02月23日

●講評会 2/23

今日の彫刻科は全クラス合同でブルータスのデッサンでした。

入試さながらの空気感、緊張感がアトリエに感じられるいい雰囲気でしたね。

その本番のような環境で自分で冷静に、普段以上の力を発揮しながらいい観察をして、その時にしかできない、描く楽しさを感じてほしいです。

きっとなにか美しい空間や形をリアルに発見出来ることでしょう。
現役生もどんどんのびてきて、この時期の成長は驚くほどです。本当に楽しみですね。

デッサン、塑造と実技でこの時期に注意したいところは、形をがんばって描くこと、造ることで、部分に入り込みすぎてしまうことがあり、全体の印象を確認出来なくなることがあります。

ゆっくり離れて自分のデッサンを眺めてみてください。調子がいい場合も、狂いがある場合も客観的に見ることがデッサンでは大切です。何か発見できたら、その後にどう反応するかが重要ですし、勇気を出して修正したり、より描き込んだりと自分を信じて行動出来るようにしたいですね。^^:

今日の講評会風景をアップ!!
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入試まであと少しです。

冷静に、楽しさも見つけてがんばりましょう!   竹花 哲

2011年02月15日

●デッサン

この時期になってデッサンとは何か?ということを書くのもなんですが、この時期だからこそ今一度考えてみたい。

デッサンは受験に出題されるから皆必死に描いている。当然のように毎日受験生はデッサンを描く。
では、なぜ描くのか?
受かるためか?現実にはそうなんだが、目的は受かる為ではないはずだ。
では何だ?なんで毎日のように同じようなモチーフを繰り返しデッサンするのか?
よくよく考えてみるとそこを自分なりに理解出来ている人はどのくらいいるだろうか。
皆さんももう一度考えて欲しい。

私が考える所のデッサンとは、
「目の前に繰り広げられている事柄、状況、現象を、自分なりに理解し感じ取った感覚を全身全霊で手を通して表現すること」だ。
モチーフとなる事象だけでは成り立たず、また自分の感覚だけでも成り立たない。
モチーフと自分と描き出されたデッサンとの距離を保ちつつそれぞれの在り方を変化させていくこと。そこでは様々な思考が働き、視覚的に見えていることに変化が起き、理解が進む。それをまた視覚的に見えている状況に置き換える。ほとんど全ての状況は必然的に起きていて、働きかければ働きかけるほど状況は変化していく。
そういうやり取りの中でデッサンは描いては消され、消されては描かれる。モチーフと対話された一つ一つの事柄の積み重ねの結果がデッサンなのである。
だから、デッサンはキャリアによっていつでも成立する。初心者であろうが一浪生であろうが40歳であろうが、その時々の思考の状態に合わせて表現される。
だから面白い。その時の思考やその人の人柄までもデッサンには表現される。当然昔のようには戻れないのである。「今」自分がどういった状況で、どういった問題を抱えていて、どういったことに興味があるのかが表現されるのである。だから怖い。
デッサンは「嘘をつかない」のである。

このように考えると、なぜデッサンするかが見えて来るのではないだろうか。
それはそれぞれの人によって違うのだ。精神的な問題に向き合う必要がある人もいれば、技術的な訓練が必要な人もいるし、知識量を増やすことが必要なひともいる。
デッサンすることでそういったそれぞれの問題を解消していくことが出来る。
デッサンは人を「成長させる」のだと思う。


彫刻は物理と深く関係する。「モノ」を直接空間に表現するからだ。
だから彫刻家は空間のことと物質的なことの関係を知らなくてはならない。
そういったモノの成り立ちのことを研究することにおいてもデッサンは必須である。

受験生の皆さん。受験までは残り僅かですが、デッサンすることはこの先もずっと続いていきます。
付け焼き刃で無理矢理なんとかするのではなく、じっくり取り組んでください。
「上手く描く」というのは間違いで、ちゃんと取り組めば「いいもの」が描けますよ。

今の時期は集中力が増して、自然と「いいもの」が出ます。
でも力んで空回りすると逃してしまいます。じっくり行きましょう!

デッサンは嘘をつきませんから。
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                     西嶋雄志

2011年02月12日

●基礎科合同コンクール!

すいどーばた美術学院の恒例行事である、基礎科合同コンクールがありました。

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高校生から社会人まで、100名弱の参加がありました。
主に、高校2年生が多いのですが、受験できるぐらいのレベルの高さに毎年、驚かされます。

油、日本画、彫刻、デザイン、工芸、など各科の特徴あるデッサンが並んで、いろいろな面での価値観の違いがとっても勉強になります。

形を重視しているもの、絵心や色味、量感や触覚感、空間や奥行き、リアリティーや印象、など、たくさんありますが、どれも、基本となる重要な要素です。

どれをピックアップするかは作者本人の「ねらい」によって大きく変わります。


何を大切にあなたはデッサンをしますか?(^0^)/

デッサンはいろいろな見方の違いがあるからおもしろいし、あー言う見方もあるんだー。と、良い意味で気づかされることや発見がたくさんあって素晴しい基礎科合同コンクールでした。

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彫刻科、基礎コースの学生も銀賞に輝くなど、検討していてうれしい限りでした。^^ 

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彫刻基礎コースのデッサンコンクールはヘルメスの胸像でした。(写真は全身像)


参加した学生の皆さん、これから受験する皆さん、基本を大切に、そして自分の感性「ねらい」を信じて楽しく頑張っていってください。
                竹花 哲

2011年02月03日

●東京藝大 卒展へ

最終日、何とか見に行けて良かったー。^^:


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藝大という場所は、独特な空気があり、また、懐かしい顔にも出会えたり、、。


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彫刻科の力作がたくさん見られてあのころの浪人生や現役生がもう、卒業!とか、こんな良い作品作れるんだーとか。。見に行って本当に良い時間でした!!

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こちらは、すいどーばた出身、夏季講習会にも講師で来てくれた学部卒業の中里くんの作品!
実際に目の前にあると迫力と繊細さがあり、素晴しかったです。


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こちらは大学院の中西さんの作品(すいどーばたのデッサン基礎の講師に来てくださっています。)大学院の修了は自分のより深い世界観を自分だけの空間で演出できる所が良いですよね。一つ一つブロンズの作品で見応えがありました。全体の世界も統一され砂漠の世界に小さな生き物が走り回っている感じが面白かったです。

他にもたくさん紹介したいぐらいですが、、。(許可を取ってないので控えますね。。。)見に行った皆さんも心に残る作品がたくさんありますよね。
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大学院も学部も今年の藝大彫刻はやっぱり良い展覧会でした!

(↑写真:石膏室のジョルジョ全身はいいなー。)

入試まで 後、1ヶ月ですね。受験生のみなさん、ファイトーー!(^^)/
                     竹花 哲