●はるか槍ヶ岳
信仰の為の登山から登る為の登山がメインになって150年ちかく、その後ヨーロッパのアルピニズムが極地法とは対極をなし、日本の多くの登山家にそのイズムが影響を与え今日の日本の登山に対する思想が成ったと考えられる。(個人論)
今年も彫刻科では有志を募り秋山を敢行した。教員4名学生7名、それぞれがそれぞれの為に参加した。ある者は下界からの逃避、ある者は見失ったモノを探すため、ある者は自分の証明の為に、信仰という対象はもはやぼやけ、自己の模索を遂行すべく一点の頂を見つめる。
目指すは北アルプス、槍ヶ岳(3180m)相手に不足は見当たらない。すいどーばたでは過去20年ほど前に槍ヶ岳に登頂した記録があり、その話を聞くと憧れとジェラシーが混ざった苦い味を覚える。(登ったことのない山の話は正直悔しいのである)そんなこともあり、今回彫刻科登山では実に思い切った山の選択をしてみた。いつもなら学生を「ねーねーいこーヨー」などと必要以上に甘ったるくイザナウのだが、今年にかぎっては、たとえ学生が一人の参加が無くても行くぞ!さびしくなんかない!一人でも行くのだ!!と鼻息を荒げていた。
実はかえってそういう潔さが学生にも染み渡り初の現役生を含めた先鋭が揃ったのではなかろうか?
西嶋、阿部号で松本入り、自然保護を理由にマイカー規制がしかれている為専用の駐車場で
翌日は晴天 タクシーの運転手にスゴくラッキーなことをつげられた。
一日目はゆるい勾配、ただもくもくと14,5キロキャンプ地まで進む。
遅めの昼食、そして早めの夕食 なんだか食べてばかり いとおかし
アタック当日!満天の星空の下、午前3:30に出発 晴れ男たちに思わず手をあわせた
サイコーのカウンター おいしいコーヒー飲みたいけど 眺望で満足!!
山頂直下の山荘に着くと尾根の向こうにいままでとは印象のまったく異なった富山や新潟の山山が猛烈な量感で目の前に迫ってくる。
まだこんなにあるのか‥‥と まだこんなに登れるのか!!どちらを感じたかは非常に興味深い。
三点支持が必死のクライマックス!!下界での強気な態度はもはや通用しない。
池に写った裏槍 これを拝むための消費カロリーはかるく4桁だろう。
無事にキャンプ地へ ヘロへロだけど夕食をつくる おいしかったよ!!
最終日 噛み締めるようにゆっくり出発。
鬼の男 下り区間新記録!?
さいごに
メンバーみんなよくがんばったと思う。はめを外し、マナーはよく、若者らしく健康的であった。
印象的だったのはリーダーが解散際に
「まだみんなと一緒にいたい」
と言った一言だった。そして三日間を振り返り胸があつくなった。みんなで登れてよかった。
おわりに
同行してくださった西嶋主任、上野さんお疲れさまでした。
阿部光成