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2009年06月23日

●インタビュー/社会人受験生に聞く

「インタビュー企画第8弾」
佐藤えりか(東京芸術大学彫刻科1年) × 中瀬康志(彫刻科主任)
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中瀬:
今日は社会人を長く経験しながら一念発起し美大受験を志し、見事、今年度、東京芸術大学に合格しました佐藤えりかさんに来てもらいました。美大受験までの経緯から大学での様子など様々な角度からインタビューを試みたいと思いますので、佐藤さん、どうぞ宜しく!
佐藤:
こちらこそ宜しくお願いします。
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■ 自己紹介 ■受験までのプロセス
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中瀬:
*さて、ここ数年、一般大学を卒業した人、あるいは社会人を経験した人などが美術の世界に関心を持ち予備校へと来る人が増えて来ています。彫刻の専門学校が無いというのもその理由のひとつではあると思うのですが、すいどーばたでは長年、こうした学生を受け入れる土壌が私がここで学んだ時期から実はあって、多くの優秀な学生が巣立って行った実績があるんですね。実際今でも10代から70代までの幅広い学生が学んでいるわけです。その中でも佐藤さんはかなり「異色」な感じは私はするのですが、自己紹介も兼ねてどういうきっかけで美大受験を思い立ったか、とりわけ彫刻へと向かったのはどんな経緯だったのか教えて頂けますか?
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佐藤:
そうですね…自分としては思い立ったというよりも、社会人になってからずっと美術を再開する機会を待っていたという感じでしょうか。

仕事や金銭面での見通しがついたのが28の時。色々調べて結局私の経歴と環境では予備校からやらなくちゃいけないっていう事が分かったのが2年前、中瀬さんに相談させてもらった頃で30になってました。

それまで10年間グラフィックデザインの仕事をしていて、仕事は仕事で充実してたんですけど、どこか自分に嘘をつかないといけない部分もあって、素の自分に戻りたいっていう気持ちがありました。
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方法としては、仕事の合間にカルチャースクールやワークショップなどに通ったりはしていたのですが、やはり限られた環境では自分の思うようにイメージを完成させるのは難しくて…。それで大学や大学院の線で考えつつ、個人の作家に雑用係として置いてもらう事なども考えつつ、海外留学も考えつつ…という感じでした。

立体アートがアカデミックな場では「彫刻」という言葉で包括されるらしいという事や、大学に彫刻科の聴講制度がない事や仕事をしながら通える彫刻の専門学校がない事も、この間に知りました。とにかく予備校に通うまでは彫刻に関する情報がなかなか集まらず、悶々としていましたね。(笑)

過去に遡って動機を考えると・・・、小さい頃から絵を描いたりモノを作るのが好きでずっと美大(彫刻かグラフィック)への進学を考えていました。色々あって高校2年のはじめに「将来美術をやるために今、美術をあきらめよう」と一旦保留して大学は文学部に進んだんです。いってみればその時の思いが今回の受験まで繋がったのかもしれません。

彫刻科を選んだ事については、自分がかつて進もうと思ったジャンルだったということもありますが、それよりも大人になってから好きになったアーティストたちが彫刻科出身だったり、ピンとくる立体物に出会う機会が増えたり、彫刻がすごく色々な形態に広がっているジャンルだということを知って、改めて興味を持ったという感じです。(※1)

感覚的なところでは、自分が10年間仕事をしてきたグラフィックの世界では受け止めきれない感覚をファイン・アートとして引っ張り出したいという欲求もかなり強くありました。

経歴としては皆無の状態で、前職も平面でしたので、確かに普通に彫刻をやられている方から見たら「異色」かもしれませんね。
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※1)彫刻をやる気にさせてくれた作家

笠原恵美子
http://editionworks.jp/EW%20STATE-2/contents/artist/kasahara.prfl.html

レイチェル・ホワイトリード
http://www.tate.org.uk/servlet/ViewWork?cgroupid=999999961&workid=70993&searchid=9513

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■受験期間のエピソード
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中瀬:
こうして話しを聞いていても矢張り、かなり異色ですね。(笑)
普通の多浪の学生が石膏デッサンや模刻などの徹底したアカデミズムの「筋トレ」的な方法からぼちぼち世界を広げていくのに対して、佐藤さんはもっと広いフィールドから彫刻の世界や自分の進むべき道を探していたようですね。
そうした事を考えると、どうでしょう、受験勉強そのものへの気持ちの整理や葛藤などもあったのではと想像するのですが、いかがでしょうか?
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佐藤:
そうですね、確かにそういう意味での葛藤はかなりあったと思います。

美術を保留してからの12年間というのは、言ってみればアカデミズムに染まらないぞという自分の覚悟でもあった訳ですから、それに矛盾する所へ行こうとしている。元々、学校や集団生活が苦手でしたし、大学も一度出たわけですから、出来ればこの年で改めて受験・進学というのは避けたかったというのが本音でした。ただ、彫刻に肝心な「現場」というのがアカデミズムの砦の中にあるような気がしてならない…なかなか自分の知りたい情報というのが掴めないというジレンマが、結果的にそういう葛藤を上回ったという感じでした。

他には実際問題として、日本の美大は国立が1校しかなくて私立の学費はその3〜4倍もかかる上、入学するには予備校へ数年通わなければいけない・・・といった実情がありましたね。上手く行ったとしても5〜6年の学校生活と学費が付いて回るという・・・。
美大への編入も無理、大学院も無理、学部入学で行くしかない、つまり予備校から、とわかった時はさすがに「・・・」でしたね。(笑)

予備校へ通い始めてからは、大勢の価値観というのが何か似通った所に集まって行くのが気持ち悪かったり、藝大合格という目標にどうしても気持ちが向いていかなかったり・・・。
そういう自分の中にある根深い反発との葛藤もありましたね。
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■日本の美大受験への感想
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中瀬:
佐藤さんの予備校での学習の様子を振り返ってみると、全体としては独立独歩といいますか、学ぶところは学ぶ、削ぐところは削ぐ、といったとても合理的な手法のように感じましたね。非常に知的、克つ計画的というか。
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佐藤:
いや、知的であったかどうかは・・・。(笑)
キャパが狭いというか・・・、きちんと自分が納得しないまま小手先ばかりを真似ていると本当に詰まらなくなってしまうので、次のステップが見えるまでのモチベーションを維持するための逃避だったんだと思います。(笑)
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中瀬:
基本的に社会人や大学出の人は、意を決した覚悟がありながらも美術的な感性や訓練、知識に関しても初心者という人が多く、その意味では現役生以上の訓練と感覚の揺さぶりが必要なケースが多いのですが、そうした面でも佐藤さんはかなり以前から美術に関する興味と、仕事としてのデザインワークで鍛えた感性や経験があったということですね。
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佐藤:
そうですね、そういう興味というか目線は常にあったと思います。
美術という線引きではなくても、全く異分野の本であったり映画であったり音楽であったり・・・とういう所でピンと来る受け皿は割と昔からしっかりありましたね。
デザインをやっていたという点では、「決める」とか「見せる」ということに対する神経は育ちますが、やはり人のための創作ですから、相手の気持ちを読むとか市場を読むとか、そういうリーディング的な感覚になるんですよ。だから、逆に自分が見えなくなってくる部分もあったりして・・・。

この受験期間で自分と向き合った事で、ようやく自分の感性の根っこみたいなものを確認したという感じです。
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中瀬:
一方で話しの中に出てきましたが、大学選択や受験制度、学費といった誰もが直面する問題とも当然向き合って来た訳ですね。
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佐藤:
そうですね、私の場合貯蓄がそこまであったわけではなかったので、都内の仕事場兼自宅を引き払って実家へ戻り受験生活に入りました。実家から通える国立に入れたとはいえ、入学金、学費、道具代、積み立て等々の支払いを終えた現在の経済状況は最悪です。笑
しばらくは、仕事と学校の2足の草鞋です。
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中瀬:
「実家」という「強み」はあるということですね。実際、家賃までもとなると大変ですよね・・。大学の選択に関しても、その中身を吟味していくと難しいところはありますね。国立大学をいわば補完するように公立大学がありますが、京都を除けばその殆どが東京芸大出身の指導布陣で独自性といった指導とはなりにくいと同時に、定員も5〜10と僅かで、そして地元学生の枠もありますから選択肢は少ないかもしれませんね。国籍を超えた教授陣、州制度による独自の美術大学作り、自由な編入制度といったドイツなどを例にとっても均質な大学制度であることは確かですね・・。
それと、学費。この不景気もさる事ながら私立美大との比較でも学部は勿論、大学院までを視野に入れると700万以上の差との試算もありますから、特に社会人の方は家族からの援助を全面的に受ける、という状況の人は稀ですから大変ではありますね。

こうした事も含めてどうでしょう、これからの社会人の方に何かアドバイスをしていただけたらと思うのですが?
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佐藤:
そうですね…。日本の大学というのは、特別はっきりとした目的がない人でも競争心に煽られて受験しているという事が少なからずあると思います。入ってから「自分探し」するのもいいとは思うんですが、それなら海外でも旅することをオススメします。
中瀬:
それは私も同感ですね。(笑)
佐藤:
社会人が学部へ入学するというのは日本ではまだ当たり前とは言えない状況で、色々と面倒はあります。
今まで築いてきた環境を捨てなければいけないかもしれないし、知らず知らずのうちに周りにも迷惑をかけてしまいます。
それでも、やりたいことがあるなら、やるべきですよね。

お金と覚悟、そして周りの人への感謝の気持ちがあれば大丈夫。
あとは体に気をつけて頑張ってください。

予備校は、毎年生徒の様子を見てフレキシブルにカリキュラムを組んでくれています。
生徒の自主性も重んじてくれますし、講師の方々も実は只者ではなかったりするので、面白いと思いますよ。
大学受験ということでなくても、自分を鍛えに行くのもありだと思います。
あとは、これは学校へ入る入らないとは関係なく、自分の作品が何かあるならBOOKを持ち歩くことをオススメします。
先輩やその道の人に見てもらって意見を聞けますし、相談にも乗ってもらいやすいはずです。
中瀬:
佐藤さんのbook、是非、私も見たいですね!
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■入学して思うこと
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中瀬:
さて、こうした難関を乗り越えて見事芸大合格を果した佐藤さんですが、現在の大学生活はいかがですか?思い描いていた大学のイメージもあったでしょうし、また今までとは全く違う生活のリズムということもあるでしょうし、そのあたりを少し話して頂けますか?
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佐藤:
そうですね、取手は一年生が多いということもあって雰囲気は多少幼稚かな…。(笑)
環境的には緑に囲まれて施設も整っているので気に入っています。でも一年生は何かと制作に集中出来な いですね。 行事が多いですし、規定の課題をこなす時間も思ったより長いです。進むペースはゆったりなんですけどね…。 人数が少ないせいか、何事も足並みを揃えて行きましょうという感じで少し息苦しいところはあります…。(笑)
やっぱり学部だとこんなもんかという感じですね。
とは言ってもまだこれまら勉強したい事も沢山ありますし、先生や助手さんの話が聴けるのは楽 しいですよ。
年齢についてはたまに驚かれるくらいで意外と平気(?)なんですが、体力的な部分ではやはり年齢を痛感させられてます…。
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中瀬:
取手キャンパスができて共通工房等フレキシブルさはあるようですが、ちょっと遠いですよね・・。ただ、制作スペースが増えたと思えば選択肢は広がったとも言えますかね。予備校でのそれ行けどんどん!!みたいな日替わりメニューからすると、大学のペースはローカル電車並みにスローですから、規定課題をこなすのは全く大変では無かった記憶が僕にはありますね。一方で今は土日休みで夏、冬、春の長期休暇、1年の半分近くが休みと言えなくはないわけで、かなりいろんな事ができますよね。僕はラグビーやったり演劇や舞踏にのめり込んだりしてましたね。大学の寮 に住んでましたから長期の休みや日曜日も制作はできていましたし、やっぱり大学はいいな〜!って今でも思いますよ。今の学生はこれだけの休みをどうしてるんですかね・・・.
 そう、それと入学した当初は先輩や助手さんがひどくみんな大人に見えましたから、佐藤さんからすれば僕もかなり幼稚に見えた部類の学生かもしれませんね(笑)。ただ、どうでしょう、芸大の面白いところは実はこの年齢差、経験の違いでもあると思うんですね。年齢も学年も超えて対等に付き合える、そんな不思議さというか。
 
 息苦しいというのも佐藤さんらしい感想ですね(笑)。学年制での指導であるとか技術習得が先行するという、いわば彫刻科の伝統的(?)な指導方法も定着していますから、手法として「全体で足並みを揃えて」というのは確かにあるかもしれませんね。できるだけ合理的にと。佐藤さんは今までの仕事もそうですが、自分自身でしっかり組み立てて生きてきてますから、余計にそう感じるのは当然でしょうね。逆に佐藤さんがそうしたことを感じているということは、個であることの認識をしっかり持っているということですから、このくらいはいとも軽く超えていけそうですね。
 体力のことですが、必要な体力は自分の体質や作品に合わせて付いてきますから心配いらないと思いますよ。不安なら少し筋トレとか?(笑)
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佐藤:
はい、ぎっくり腰が出ない程度にがんばります。(笑)
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■今のアート(彫刻)に関して 
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中瀬:
さて、大学での「彫刻を学ぶ」ことが始まったわけですが、様々な素材へのチャレンジもさらに増えて来るでしょうし、普通の学生であればしない質問なのですが、今の彫刻、あるいは美術に関して「思う」ところはありますか?いろいろな展覧会も見てきているでしょうし、情報も普通に多く持っているようにも思いますから。そのあたりを少し。
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佐藤:
そうですね、といっても国内、特に関東で気になったものしか観てませんから、あくまで個人的な感想でしかありませんが・・・。

ジャネット・カーディフの以前の作品が今エルメスと森美術館にきてますが、よかったですね。
40台のスピーカーを使ったインスタレーションと映像作品で、どちらも珍しい手法ではないですが、女性特有の気配というか意志のようなものが歩き出している面白い作品でした。スピーカーの方は音の彫刻でしたよ。

ここ1-2年のエキシビジョンで上げるとしたら、横浜のZAIMで若手アーティストたちがやったECHOという企画展、群馬青年ビエンナーレ、ターナー賞の回顧展あたりでしょうか。

ECHO展は、美術館やギャラリーの企画展ではない若手アーティスト発信のエキシビジョンで、クオリティも安定していてボリューム感もあって、最近の時代にしてはめずらしく成功していた作家展だったと思います。
群馬ビエンナーレは初めて行ったのですが、油画、映像、立体といずれも男性の作品で、トボけてるんだけど得体の知れない恐さを持っていてとても良かった。
ターナー賞は、ちょっとタイムラグを感じるラインナップではありましたけど、ホワイトリードとマーティン・クリードのアーティスト・トークが面白かったんですよね。ホワイトリードは、やはり受賞の前後のバッシングでかなり精神的ダメージを負っていたようで、そこから立ち直って今粛々と制作を続ける姿勢には胸を掴まれるものがありました。マーティン・クリードは、当時制作中のビデオを見せてくれて、女の子が真っ白いスタジオの中でただひらすらモドしてるっていう映像だったんですけど、説明が完全に天然というかコメディアンで、そういう解説も含めて作品になっちゃってる。すごく頭いいんですよ。

あとは、日本の東と西、国内と海外という所でまだ壁があるなぁと感じます。
関西でやるものは関西でのみ、関東でやるものは関東のみ、という事が多いというか普通ですよね。
もっと国内でも東西の交流とかインフラが繋がれば良いなぁと思います。
海外と日本という所では、輸入の方にまだタイムラグがあるというか。日本のギャラリストが海外のアートフェアに乗り込むようなことは増えたのかもしれないですが、海外作家の最新の作品が日本にも巡回してくれたら嬉しいですね。
最近はYouTubeやpodcastのおかげで少し観れるものもありますけどね。

彫刻という所では・・・、うーん。彫刻っていう言葉って、多メディアな展示の場ではすごく狭いところを指してますよね。
例えば、、「彫刻」と「立体」と「インスタレーション」は別物扱いで、その中の彫刻作品というのは、彫ってるかどうかとか、人体・動物を作ってるかどうかとか・・・どうしてもそういう限定のされ方に見えてしまう。彫刻的な要素を持っている作品でも彫刻として展示されないのは、正しいけれどちょっと残念なような・・・。

卒制展はなぜか同じ手法ものが多い気がしますね。
今の藝大だと木彫で人体で着彩で、みたいな・・・。
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中瀬:
こうして聞いていると佐藤さんが初めてすいどーばたに来た時の事を思い出しますね。
もともとは大学院受験の相談だったし、内容からしても「先端芸術系かな〜」と感じてましたから、そんなアドバイスもした記憶があります。これだけの思考や情報、価値観を持ってる学部の1年生となると先生も大変ですね(笑)。とりわけ日本の美大は思考や論理を語ることが少ないし、特に社会性となるとかなり希薄どころか避ける傾向さえありますからね。彫刻とか美術そのもに対してもグローバルな視点から何か論議することも殆どありませんよね。私の時代もそうでしたが、そうした現状に気付いて、いわばアカデミズムに対抗する形で有志数人で自主ゼミなんか開いてディスカッションしたり、実験的プロジェクトや展覧会を独自に企画したりなんかしてましたね。今はそういう人は「先端芸術へ」となるわけで、住みわけができていますから大手を振って「ひとかたまり」になりやすいかもしれませんね。おのずと、卒展の作品も「ひとかたまり」と。

佐藤さんが感じる海外の作家にしても、言ってみれば社会性や歴史、文化、宗教といったその作家をとりまく様々な背景がある論理的構築をもって表出される。そうした広がりと体験的思考の中から多様な表現が生まれるんだと思うんですね。そう考えれば大学は単に職業訓練校的であってはならないとは思いますね。

それから今は佐藤さんを含めて彫刻受験生の半数以上が女性になりましたね。今年の芸大合格者も半数が女性。凄いですよね!
これも時代の変化ですね。いまや男はアマゾネス集団に征服された?!(笑)。それは冗談としてもこれからは女性の作家の時代でしょうかね。文化や社会的な性別であるジェンダーの問題への関心も以前はかなりありましたから、彫刻の中の女性という意味でも今後の活動や表現に興味が湧きますね。
いずれにしても、話しの内容がかなり広がってしまいましたから、美術の構造的問題なども含め、このあたりは「第2弾」を設けて是非また話しましょう。

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■将来は?
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中瀬:
これも入学したばかりの学生に聞くような質問ではないのですが、将来のイメージとかありますか?
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佐藤:
アートをやって行きたいです。
当面は、自分の頭の中のアイディアを100%で出力できるようにすることですね・・・。
あとは良くも悪くも感覚的にズレてることが多いのでそこは益々掘り下げて行ってみようかと・・・。
大学生になったことですし。笑
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中瀬:
そうですか(笑)。もちろん私達は評論家でもありませんから、作品を創ること、そしてその実現力、リアリゼーションが問われることになりますね。佐藤さんがズレているというのはどのあたりかは分りませんが、非常に物事を良く知っているし、分析力もあることは確かですね。ひょっとしたら、この歳の差でズレもなく話しができることがいみじくも「ズレている」ということなのかもしれないし?(爆笑)それは冗談ですが、今日は長い時間本当にありがとう。まだまだ入学したばかり。佐藤さんにとっては若干、丁稚奉公?(ハハハ)のような、そして肉体的訓練のような大学生活がこれから何年も続きます。慌てず、キレず、諦めずに大学生活を楽しんで下さいね。また落ち着いた頃に第二弾を深く、濃く語りましょう!!こちらも期待しています!

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佐藤:
ありがとうございます、がんばります。
こちらこそ、中瀬さんをはじめ先生方には本当にお世話になりました。
また遊びに来ます。
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★インタビュー後記★
*次々と溢れ出る言葉と情報にも驚かされましたが、「実は性格は子供っぽいんですよー」との言葉がとても印象的でした。さてさて、今後、どんな表現、作品が生まれてくるのでしょうか。社会人学生の代表格として是非是非すばらしい作家になることを大いに期待しています。
佐藤さん本当にありがとうございました!
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