2012年10月アーカイブ

2012合格者体験記特集

「インタビュー企画第19弾」
 2012合格者体験記特集

2012年度の合格体験記をまとめました。
それぞれにリアリティーがあります。
参考にしてください。


『楽しむ』
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荒木 秀造くん(2012年 彫刻科)
兵庫・明石高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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 実技を学ぶ上で人それぞれいろんな価値観を持っていると思います。 僕は何よりも楽しむことを大切にこの一年を過ごしました。 でもその楽しみはただ待っていても決して得られるものではありません。自分が自分のために自分でつくりださなければならないものだと思います。 どんな課題が出されても、常にどこをどう楽しむかをまず考えます。石膏デッサンでも、この石膏のかっこよさってどこだろう?そのかっこよさってどうやったら出せるだろうか?そんなことを考えながら手を動かせば自然と作品はイキイキとしてくると思います。でも当然上手くいかなくて、しんどくなったりイライラしたり、凹んだりすることも沢山出てきます。そんな時に必要不可欠なのが友達です。 実技の話をするのも勿論ですが、一緒にカラオケに行ってばか騒ぎしたり、下らない話で盛り上がったり、そういった時間にどれだけ救われたでしょうか。本当に楽しかった。友達だけじゃなく、無条件に応援してくれる家族や真剣に指導してくださった先生方、影で支えてくれた教務の皆さんにも本当に感謝しています。 自分が合格できた一番の理由は、浪人生であることを何よりも楽しめたからだと思います。今だから胸を張って言えます!「この予備校で浪人できて本当によかった!!ありがとう!!!」


「粘った」
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中本 那由子さん(2012年 彫刻科)
東京・東京大学教育学部附属中等教育学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科/武蔵野美術大学 彫刻学科
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 二浪の三月、私は芸大受験に一次で敗れました。それまでに膨らみすぎたちっぽけなプライドはズタズタのグチャグチャになり、好きだったデッサンが大嫌いになりました。 三浪の春は、本当に何をしたらいいのかわからないところからスタートしました。 それでももう一度やることにしたので、一年かけて確実に成長しよう、絶対に無駄にはしないと決めました。 しばらくはまともに課題と向き合うことができませんでした。 前と同じことをしてしまったり、逃げ腰になって空回りしたりを繰り返しました。 膠着状態が続きました。 もう嫌だと思った秋に、先生に相談して無理を言ってじっくり時間をかけてやらせて貰った個人課題が転機でした。 それ自体の出来はともかく、見て作って考えることが楽しいという、ただ工作が好きだった子供の頃のような感覚に戻り、これだ!と思いました。 それからは実技が「ちゃんとやる」から「表現したいことを見つけてがんばる」にシフトしていきました。 そうすると自分に心地良いプレッシャーがかかり、一時期嫌で嫌で仕方なかった描くこと・作ることがまた楽しくなり、見えることも増えて、自然と自分の状態が整っていきました。 毎回、初心者になった気分でした。 最後は第一印象の感動を再現したところがゴールだとひたすら思い込んで、モチーフとの会話を徹底しました。 変に高いプライドは適度な自信に変わりました。 四月の苦しさは消え去り、自分の感覚の奴隷になることがとても楽しかったです。 本当に好きなことは嫌いになってからが本番だ、というのを誰かが言っていたのですが、まさにそんな一年でした。 こんなことはまたあるんだと思います。 しっかりとやりきれたのは、色々な気付きを与えてくれた先生方、一緒にいてくれた友人、ずっと支えていてくれた家族のおかげです。ありがとうございます。

「転」
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新井 健くん(2012年 彫刻科)
千葉・安房高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科/武蔵野美術大学 彫刻学科
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 色んな人に出会い寝て色んな人に支えられ寝て良きライバルを持ち寝て良き講師に恵まれ寝て色んな人と寝て後悔して寝て覚悟を決め寝てだめだ、このままだとただ予備校に糞尿をはこんで食物を摂取し家に持って帰る生命体だ!と気づいた辺りから作品制作において自分に何が足りないのかを自覚しました。僕の場合おそらく誰の参考にもなりませんが、東京を練り歩いて映像作品を撮ったりギターとソフトで音源を制作してみたりそれ等をパソコンで編集してみたりと、受験彫刻以外のことを同時進行で取り組みました。 とにかく面白くて得たものは沢山あり、それ等を通してより彫刻も作品性が増したように感じます。 一見バラバラにあるものでも何でも主体は自分であり、自分のフィールドを広げその中から得たものを選別して自分を高めていく。そういった制作スタイルを自分はこの一年間やってきました。 とにかく周りと一緒にされることが御免なひとは何でも体当たりでダイナミックに失敗しまくれば良いと思います。失敗の質をどんどん高くしていけば良いのだから。そのエネルギーをどんどん活用してください。 これから受験という環境で自分に何が足りないのか悩むことが沢山あると思いますが、気づくタイミングは人それぞれ他人に合わせる必要はないです。そして何より、今もこれからも自分の成長を止めないことが一番肝心なことだと思います。そぉいった意味で沢山の生徒さんがいるすいどーばた美術学院をお勧めします。

「決意」
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村岡 佑樹くん(2012年 彫刻科)
広島・修道高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科/武蔵野美術大学 彫刻学科
日本大学芸術学部 彫刻コース
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 僕は現役のとき自分は今年芸大に受かると思っていました。けれども、一次で落ちました。落ちてからも、たまたまとか、運が悪かったとか、そんな理由を考えて逃げていました。  一浪を始めてもやはり、色々理由をつけては逃げていました。先生に「お前は作品の完成像を考えてない」と言われるようになっても、完成像ってなんや?と悩むばかりで秋頃まで中途半端な作品ばかりつくっていました。そうするうちに、親のお金を使ってわざわざ東京へ出て来て何をしているんだろうと、申し訳ない気持ちが大きくなっていき、実技を真面目に考えるようになりました。なんのためにデッサンや塑造をしているのか、他の人が当たり前のように考えていることをやっと悩み始めました。間に合わないかもしれないという考えはあり、親にも相談しましたが、お前がベストをつくすんならそれでええと言われ前向きになれました。  センター試験が終わったあと、考え始めたのが遅かった僕は追いこまれ、すべての帳尻を合わせるには受かるしかない、そのためには見せかけじゃなく本当の努力をするしかないと決意しました。 決意をしてから、デッサンでは、先生に言われた回り込みや空間を必死に描いていき、粘土では自分の粘土付け、模刻だと石膏像の印象を必ず合わせることに努めました。  そして試験の日、一次試験のデッサンは描き出しをゆっくり時間をかけて確かなものに、二次試験の素描はキレイに見えるように、そして、模刻は量のバランスと顔が似るようにしました。それらの結果が合格でした。  入試直前期頃に思ったんですが、僕みたいな人は追いこまれないと事態の重大さに気づけないんだと思います。ですが、それは気づいてからちゃんと行動できれば、そんなに悪いことではありません。毎回自分のベストを尽くして悔しい思いをしながら歯をくいしばっていけば必ずいい方向へ向かうと僕は信じています。  また、僕には慰めではなく自分の問題点を気付かせてくれる友人がいたからよかったです。  最後に一年間支えてくださった全ての人に感謝しております。 本当にありがとうございました。


「得たもの」
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戸張 花さん(2012年 彫刻科)
東京・都立武蔵丘高校 現役
合格大学:
多摩美術大学 彫刻学科/東京造形大学 彫刻専攻


 私が彫刻に興味を持ちはじめたのは高2の頃です。私は、予備校を探してすいどーばたの彫刻基礎科に入りました。 最初は何も分からず、先輩たちの実力に圧倒されるばかりでした。でも、好きな事を学べるすいどーばたの時間がとても楽しかった事を覚えています。 そして高3で夜間部に入り、沢山の人に出会いました。同じ目標に向かって頑張る夜間部の皆は私にとって負けられないライバルであり、かけがえのない仲間でした。ずっと付き合っていきたい仲間です。 また、熱心に指導してくださった先生たちには実技の力だけではなく、実技に向かう姿勢や態度、自分の作品に対する心構えを教わりました。 先生たちは、私たちをただの受験生ではなく一人の彫刻家を育てるように正面から向き合ってくれました。それがとても嬉しかったです。 私が合格できたのは、先生や夜間部の皆、陰で支えてくれた教務の方々、入直生の皆や先輩方、そしてなにより家族のおかげです。 これからも大変な事があるかもしれません。でもそんな時は、すいどーばたで学んだ事を思い出し、立派な彫刻家になれるよう、これからも頑張っていきます。私を支えてくれた全ての人に感謝します。ありがとう