2011年2月アーカイブ

2010合格者体験記特集

「インタビュー企画第16弾」
 2010合格者体験記特集

2010年度の合格体験記をまとめました。
wabや入学案内に載っていますが、こちらにご紹介しようと思います。
それぞれにリアリティーがあります。
参考にしてください。






「自信を持つということ」
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佐野 藍 さん(彫刻科) /東京・桐朋女子高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
多摩美術大学 彫刻学科
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 1浪の最後、東京芸術大学の合格発表。自分の番号がなかった。その時に自分は「来年は確実に合格する」と決心した。今まで自分が残してきた作品に対してひとかけらの自信もなく、それがこの結果を呼んだということがわかったからだ。
 2浪始めの面談で、「絶対に合格します」と宣言して2浪目がスタートした。たくさん実技をこなしたけれど自信がついてこなかった1浪の時とは違う毎日にしたいと思い、その頃を振り返ってみた。いろいろな事にチャレンジして、苦手を克服して、穴を埋めて... とても充実した1年だった。できることも増えて、成長したとも思う。 けれど「じゃあ何が得意なの?」ともし訊かれたら、答えられなかっただろう。もっと自分が満足できる実技がしたい。自分が生み出したものを、愛したい。振り返ってみて、そう強く思った。
 なので、2浪目は、もっと自分が「かっこいい」「美しい」と思う作品を作れるようになるために、自分なりに考えて過ごした。粘土の質感だったり、見せ方や動きの事、そのような「勉強」をしてきたことを、自分の作品をかっこ良くするために使いたいと思うようになった。はじめのうちはあまりうまくいかなかったけれど、すこしずつ自分が納得する作品も出てきて、自信もついてきた。
 自信がない時というのは人に何を言われても、良い成績をとれても、それでも自信を持てない。そんな時に、一番勇気をもらえたものは、こだわり抜いてできあがった、自分の作品だった。
 試験の時は、本当に自分の目しか信用できない。そんな時に、自分が1年やってきたことに確かな実感が持てたら、それだけでもかなり強いと思う。本当に今思えば、どんな時でも、どんな状況でも、かっこいい作品が作れるようになれればと思って、それが合格への確かな道だと信じてやれたのが良かったのだ。
 今まで自分を支えてくれた全ての人に、感謝します。






「限られた時間の中で」
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村田 勇気さん(彫刻科) / 富山・県立高岡高等学校 現役
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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私のスタートはかなり遅く、実技に本腰を入れるようになったのは高校3年生の秋。塑造に取り組み始めたのもこの時期からでした。
 それまでは普通の進学校に通いラグビー部に所属し活動する傍ら、空いた時間にデッサンを重ねていたのですが、力試しに当校の公開コンクールに出てみたところ、当然の如く揮わぬ成績に終わり、大変悔しい思いをしました。それを契機として本格的に志望先へと焦点を当て始め、当校の冬季及び入試直前講座を受講するに至りました。
 受験までのごく短い時間と、圧倒的な経験不足という致命的とも言えるハンデの中、いかに他の受講生たちと比肩し得るレベルまで自分の実力を高めていくか。それが私にとっての最重要課題だったのですが、その際に実践したのが以下の4点でした。1.1日あたりの実技の絶対量を増やす。2.講師陣の指導を徹底的に実践する。3.周りの生徒のテクニックを接収する。4.参考作品を徹底して分析する。
 一見すると当たり前かつ簡単すぎる内容なのですが、、これらが絶大な効果を発揮するに充分な要素がすいどーばたには凝集されているのです。1〜4におけるそれぞれの具体例を挙げるならば、以下の通りになります。1.早朝も夜間もアトリエを使用できる。2.優秀な講師陣が熱心に指導して下さり、力をつける上での具体的なアプローチを提示して下さる。3.全国から実力者が集っている。4.膨大な資料がジャンル別に整理されている。
 このように優れた環境に囲まれていたおかげで、2ヶ月弱という短い時間の中でど素人からそこそこのレベルにまで力をつけることができました。
 こんな環境を利用しない手はありません。あなたも今スグすいどーばたへGO!!






「1人では出来なかった」
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山田 亜紀さん(彫刻科) / 長野・県立諏訪二葉高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
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 地方から東京に出て来て周りにビクビクしていた1浪、彫刻の面白さに気付き技術面での上達に没頭した2浪、自分の価値観を疑い続けた3浪。
 1番自分のペースで出来たのはなんだかんだ1番辛いと思った3浪だった気がします。
 精神が上下左右に振れに振れ〔同時に実技も(笑)〕、もう止まらないんじゃないかと思う日もあったけど、そこは先生方や友達やどばたならではの先輩方に止めてもらっていました。
 自分が1人で戦っていると思ってしまうことが多かった私は、浪人を終えて気付けたことがあります。それは、本当に沢山の人に支えられていたことです。自分が何かコツを掴んで先に進めた時には、必ず誰かがきっかけをくれていたこと。それはどばたの先生であったり友達であったり親であったり「画材あ〜る」の皆さんやバイト先に来てくれたお客さんであったり。そして、刺激しあえるどばたの友人達がどれ程私の精神面の支えになっていたか。
 どばたで出会えた友人達は、歳の差なんて関係なくて。個々の持つ課題に日々向き合う姿勢が脇にそれようとする私を何回も進むべき道に戻してくれました。
3年間どばたに通い「得られることは全て得たのだ!」と思いたいと思っています。今の私の精神面での成長も技術面での成長もどばたに通わないと得られなかったと思いますから。
 それともう1つだけ大切なことがあるんですが。
『上達は螺旋階段』という言葉を昔教わったことがあります。上から見ると同じ所を回っている様でも横からみると少しずつ上に登っているということなんです。実技は嫌でもやればやっただけ気がつかない程少しずつ積み重なっています、それにいつ気が付くかは個々のペースで。気が付いた時の上達っぷりは先生達を驚かすことができちゃうくらいです。あとは、気が付けるまで自分をどうコントロールするかということだけで。それを、学べたおかげで私は、3年間最後までやり通すことが出来たのだと思います。
 支えてくれた先生方、味のある友人達、本当にありがとう!






「要は意識の仕方」
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宮内 素さん(彫刻科) / 私立・城西大学附属川越高等学校 卒
合格大学:
東京芸術大学 彫刻科
武蔵野美術大学 造形学部彫刻科
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 僕は高3の夏まで油画科に在籍していましたが、夏季講習会から転科して彫刻科で制作するようになりました。今考えれば本当に無謀なことをしたなと思いますが、時間的に追いつめられたぶん、
がむしゃらになってがんばることができたと思います。その年は私大は結果を出せたものの東京芸大は不合格、それでも次は必ず受かってみせるということで浪人が決まりました。
 この1年を振り返ってみると、現役の年に比べて実技に費やすことのできる時間が増えたために「1歩引いて客観的に見直す」余裕があったように思えます。
 どうして自分はここで浪人してるのか、どうして自分は芸大を目指すのか、どうして自分は美術をやっているのかなど、根本的なところを改めて考えることができ、それをふまえて今自分のするべきことや目標を立てることができました。
 この1年は経験不足を補うためにただひたすら手を動かしていましたが、時には一息ついて原点に立ち返ることで大きくぶれることなく目標に向かって進むことができたと思います。
 また、僕はどばたで浪人して大切な仲間と出会うことができました。夜間一緒に残って自主課題をし、コンクールではライバルとして競い合い、課題以外では仲の良い友達としてみんなで過ごして充実した浪人生活を送ることができたと思います。美術は自分と向き合うことも大切ですが、そういった周囲との結びつきもまた重要だということを教わりました。
 納得のいくものができなくて行き詰まったり、本番が近付くにつれて焦りや緊張を感じてしまうこともあったけれど、そういう時こそ原点に立ち返って見つめ直し、仲間とともに意識を高め合って前進していくことが大切だと思います。それはきっと受験だけではなく今後制作するうえでも重要なことで、これから先も忘れてはいけないことだと思います。






「疑う」
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村田 亜里紗さん(彫刻科) / 東京・私立跡見学園 卒
合格大学:
武蔵野美術大学 彫刻科
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 私が実技をやって行く上で一番意識した事は、疑問を持ち続けることでした。デッサンや粘土はもちろん、考え方や言葉にも気をつけていました。色々な考え方を知り自分が固まらないように、「うまく形がとれた」「いい感じだ」と思っても口に出す前に本当にそうなのか?と自分に問いかけるように、言葉に出すとそうだと思い込んでしまうので、思い込まないように自分を戒めていました。
 疑いを持つためにまず大事なのは知識でした。色々な事、考え方を知っていなくては考えることもできないので知ることから始めました。私は実技が上手くなく、経験も浅かったので人一倍努力していこうと思っていました。努力したら報われるとは思っていませんでした。ただ、努力する事で少しでも自分に自信をつけようと思っていました。
 知識をつければつけるほど自分の駄目さがどんどん見えてきました。自分を褒める事が出来なくて何を描いても何を作っても欠点が見えて不安で仕方ありませんでした。
 自分の作品を素直に褒められる人が羨ましくて、毎日悩んでいました。でも、悩み続けながら課題を続けているうちに吹っ切れてきました。自分はこのやり方で良いのかわからないけれど、おばあちゃんになるまで、満足できる作品が出来なくても新しい課題を見つけ続けられたら本望だなと思うようになりました。そう思うと前向きに取り組めるようになっていきました。
 芸大も多摩美も武蔵美も満足のいく作品は出来ませんでしたが、反省しつつ描くこと、創ることを楽しめたので、半歩前進したと思います。






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結城 実菜子 さん(彫刻科) / 埼玉・私立大妻嵐山高等学校 現役
合格大学:
武蔵野美術大学 彫刻学科
多摩美術大学 彫刻学科
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私は、高2の夏頃からどばたに通っていたのですが、本当にこの1年半、あっという間に終わってしまいました!でもこの1年半という時間は、実技の成長と共に、人間的にも成長できた、とても充実した時間になったと思います。
どばたに入りたての頃はただ美術に携わっていたいと漠然と思っていただけだったのですが、デッサン基礎での体験から、高2の冬、進路をはっきりと彫刻に決めることができました。
私は、後悔だけはしたくなかったのです。たくさんの選択肢、岐路の中から常に最善の...とまでは言えませんが、自分の選択に後悔しないよう、意志を強く持っていたと思います。
だから私は進路を彫刻にしたことを全く後悔していません。むしろ本当に彫刻科にきて良かったと思っています。そのおかげで、わたしはたくさんの良い友人、先生たちに出会えました。一時、酷いスランプに陥りデッサンが本当に描けなくなってしまいました。自分でどうしたら良いのかわからなくてパニックになり、もう自分はずっとこの調子なのかもしれない、という不安に押し潰されそうになったときも、私のことをよく理解してくれていた人々の厳しくも優しい言葉や、指導のおかげで何とかスランプを抜け出すことができました。
実技のことを考えていると、どうしても気持ちが落ち込んで暗くなってしまいがちな私は、そういう時は友人や先輩、先生たちと話してみるようにしていました。言葉にすることで、自分の作品についての考え方が整理されてはっきりとわかることがある、と私は思います。そういう思案の繰り返しによって、精神面でも鍛えられ、実技にも考えていることを反映させてみたり、新しいことに挑戦することができました。その結果、自分の良い部分と悪い部分が明確になり、自分は自然な感じと、色味が持ち味だからそれを前に押し出して、苦手な形を徹底的に最初にあわせる!!という気持ちで、モチベーションを上げていったことで自信がつき、試験では気持ちよく実技をこなすことができました。
そして、私が身をもって実感したことは、現役生はとにかく本っ当に入直で伸びる!!
周りの現役生の伸び具合には本当にびっくりしました。実際私も、入直前までのコンクールでは上位になんて雲のまた上〜みたいな感じだったのに、入直最後のコンクールではなんと現役3位!!
これには本当にびっくりしたし、何より嬉しかったです。
やっぱり、実技はこなした数だけ力になるし、あとはとにかく根性です。誰にも負けないって気持ちと、自信を持つこともまた大事だと思います。そうして試験でも新鮮な気持ちで楽しく実技をこなすことができれば、きっと合格できます!あと学科は大事です!やっておいて損する事なんかないと思います。
本当に、1年間夜間部で面倒を見てくださった彫刻科の先生には感謝しきれません。ありがとうございました!