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2017年10月28日

●2017全国公開実技コンクール特集!

「インタビュー企画第33弾」
 2017全国公開実技コンクール特集

                       担当 三上


ーすいどーばた美術学院講師8名の採点総評コメント掲載ー
各講師から、今回の公開コンクールについての総評を書いてもらいました。
それぞれの言葉をしっかりと受け止め、今後の制作の参考にしてもらえればと思います。




文章が送られてきた順に掲載します。


すいどーばた美術学院 彫刻科主任 西島雄志
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今回のコンクールでは、久しぶりにaランクが出ました。この時期の6時間のコンクールではなかなか難しいのですが、密度・印象ともに良い作品が出たのは素晴らしいと思います。
また2位のデッサンも独特の捉え方をしていて「素描」という感じが強くとても好感が持てます。
トップ10を見ても絵面の似た感じのデッサンがなく、それぞれの捉え方が見えて面白いと感じました。その中に2列目の作品が3点あるのもSt.ジョセフならではなのかもしれません。

全体の印象としては、やはり形の狂いが大きいと感じました。St.ジョセフは特徴がハッキリしていて面性が強く、数ある石膏像の中でも形は取りやすい石膏です。その割にその特徴を外しているデッサンが多く、B”以下の数が全体の半数以上ととても多かったのは残念です。全体に調子の汚い黒の重い感じのものも多かったように思います。

St.ジョセフは昔から芸大の入試に出題されていて、現役生に有利な像と言われています。
形態が掴みやすく、丁寧に形を拾っていくと自然と構造が出るように作られているのでそう言われているのでしょう。そう考えると今回の皆さんの出来はもう一つな部分があったのではないでしょうか。
入試まで残り4ヶ月です。今回の結果で自信をつけた人は今後さらに良いものを追求し、残念な結果だった人は原因をしっかり理解し今後の制作に生かしてください。
特に現役生はこれからグングン力がつきます。焦らずじっくり取り組んでください。
今年どばたから現役で芸大に合格した現役生も昨年の公開コンクールではB”でした。
その悔しさをバネにその後力をつけました。
次は年明けすぐに行う「東京芸大模擬試験」が1つの目標となります。
デッサンのみならず彫刻1・塑造の力も合わせて判断される重要な機会となります。
しっかりと照準を合わせて取り組んでいきましょう。








すいどーばた美術学院 彫刻科講師 篠塚未来
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皆さんお疲れ様でした。
少し時間がたった今、自分の絵を見てどう感じるでしょうか。100枚以上の絵が並んだ中で、自分の絵はどう見えるでしょうか。他人の絵を見るように、自分の絵を客観的に見れる力をつけてください。

毎年この10月に行われる公開コンクールというのは本番とはまた違った緊張感のある場所だと思います。今回の結果をしっかり受け止め、自分のいまある状況に逃げずにきちんと立ち向かってください。

ここからの計画次第で結果はどうにでも変わってきます。すべては自分次第です。頑張っていきましょう!








すいどーばた美術学院 彫刻科講師 小野海
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みなさん、お疲れ様でした。
自分は今回、初めて公開コンクールの採点に参加させてもらいましたが、やはり131枚のデッサンと向き合うのはかなり体力がいりますね、、、。

公開コンクールは年に一度きり。自分が学生だった頃を思い出すと、本番と同じくらいはりきって受けていたように思います。
色んな予備校や地方から色んな人たちが受けに来ます。すいどーばたの学生も外部の学生さんも新鮮な環境で描けます。どばたの学生にとっても、普段の描き慣れたアトリエの雰囲気とはどこか違って感じられたはずです。外部生にとってはもちろんなれない環境です。
本番なんてまさにそんな感じです。
東京芸大の彫刻棟のアトリエでデッサンできる機会なんて本番しかありません。みんな環境面では同じってことです。
環境なんかに左右されずに結果を出すために大切なのは"いかに無理をせず、素直に自分やモチーフと向き合うか"だと思います。
今回の上位ほうの作品からはそんな素直な感情を感じました。無理せずに描けてるんだと思います。もちろん完成させることは大切ですが、無理やり描きにいってもかえって遠回りしてしまいます。
素直で自然な眼差しはは素描的な魅力や絵としての魅力に繋がります。

自然に見る、見えたら描く。

残り数ヵ月、まだまだあります。
どんどん心惹かれるデッサンを描いてください!








すいどーばた美術学院 彫刻科講師 荒木秀造
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皆さんお疲れ様でした。

採点でアトリエに入り131枚のデッサンが並ぶなかを最初にぐる〜っと一周して足を止めたのはわずか3枚でした。良い絵はいっぱいあるんですが似ていない、うーん悔しい。

でもまだまだこれからです。石膏像は逃げも隠れもしませんので、一枚一枚を大切に全力でぶつかって行きましょう!








すいどーばた美術学院 彫刻科講師 三上晏子
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お疲れ様でした。
どんなモチーフでも、まずは観察しましょう。みんなが描いているのは、当たり前ですが立体物です。色々な角度から見たり、色々な見方で見ないと、そのモチーフを把握できないでしょう。
今回のデッサンを見て、全体的にモチーフの理解がまだまだだと思いました。
重要なのはデッサンのテクニックではありません。モチーフを見る。理解する為にモチーフと向き合えたかが重要です。その精神が次の1枚に繋がると思います。








すいどーばた美術学院 彫刻科講師 阿部光成
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良い彫刻は豊かに光を浴び、美しい影を生む。

今回出題された St ジョセフは本来ゴシック時代、教会の建物彫刻ですね。野外で日光を浴び刻一刻と様相を変える彫刻です。

彫刻に光があたった現象に美しさを感じ、それがデッサン、素描を通して画面に表れればいいなと思います。けれど、感じることを忘れ、正確に描くことだけに盲信してしまうと、即物的になってしまうのは否めません。

上の話と少し矛盾しますが、今回の公開コンクールの内容を見ると、上位の早い段階から形の狂い(人体彫刻としての違和感)を感じました。

解決としてイギリスの彫刻家ヘンリームーアの実と虚を糸口としてみますと、実は目に見える触れられる形、虚は実と実の間に生まれた空間。今回参加してくれた皆さんは実(即物)はしつこく見ているが、そこで生まれた虚(空間)までは意識が足りなかった感じがします。

反対の性質で事物を見ようとしないと、片方だけしか捉えられないわけです。

最後に、これまでの公開コンクールでの過去の記事も参考にしてほしいです。読み返してみると、描く技術よりも前に、まず観察を大事にしている内容に気が付くと思います。








すいどーばた美術学院 彫刻科講師 足立仁史
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みなさんお疲れ様でした。
上手くいった人いかなかった人様々だとは思いますが、いつもと違う環境や緊張感のある中での今回の結果を今後に活かせるかどうかはとても大切です。
結果だけに囚われずに自分の実技をより良くするために必要な事を考えましょう。どの作品もまたまだレベルアップ出来るはずです。








すいどーばた美術学院 彫刻科講師 小川寛之
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皆さん、お疲れ様でした!
今回のコンクールでは実力と結果が伴っていましたか?
全体の感じとしてはまだ実力が不足しているなという印象です。
予備校特有の色に差が無くなってきているので観察と客観性と努力量の違いで差が出ているのでしょう。
デッサンでは偏りのない観察が必要とされるので、場数を踏んで安定した実力を付けて下さい。
塑造、彫刻1もそれぞれ求められる要素があるでしょう、難易度のある出題はそれ程ないと思いますのでしっかり精度を上げて彫刻科全体の質を上げて行きましょう!








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受験生の皆さん、コンクールお疲れさまでした。
以上8名の講師の総評でした。心に留まる言葉があれば、大切にしてください。
残り4ヶ月、しっかり力をつけましょう!