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2010年11月06日

●2010全国公開実技コンクール特集

「インタビュー企画第14弾」
 2010全国公開実技コンクール特集

                       担当 西嶋
すいどーばた美術学院と湘南美術学院が合同で公開実技コンクールを始めてから
早くも今年で7回目となります。
受験生からみると合同コンクールが当たり前のように思うかもしれませんが、
実際は両校のスタッフが彫刻や受験に対して広い視野をもっていないと実現しないことなのです。
そのあたりのことは以前のインタビュー記事 対談! すいどーばた主任 中瀬康志×湘南美術学院主任 佐藤武夫を読んでみてください。
すいどーばたは今年、中瀬康志の金沢美術工芸大学の教授に就任により、主任が西嶋雄志に交代しましたが、インタビューで話されていた意志は引き継いでいます。
インタビューで掲げられているように、今後もさらに、受験生にとってプラスになることを実践し発展させていきたいと考えています。

交代したばかりで大きなことは出来ませんが、今回は新たにこのような企画をしてみました。
2010_11_14P1010229.jpg







ーすいどーばた・湘南全10名の講師の採点総評コメント掲載ー

公開コンクールの講評は時間に限りがあり、残念ながら総評を全10名の講師に
お話ししていただくことができません。
個性的な講師が多く、それぞれの視点や意見には幅があり、全部ご紹介できたらと感じておりました。

そこで、今回は「採点直後!新鮮で率直なコメント」を各講師にお願いしました。
採点同様、相談無しの本音コメントです。採点が終わった直後にすぐ書いてくれた人、帰りの電車の中で思い出しながら書いてくれた人、翌朝までじっくり考えて書いてくれた人、それぞれです。
今回はその辺も踏まえ、コメントを送ってくれた順番に掲載したいと思います。
受験生にとって有益なこと間違いなし。
こころして読んでください。






最初に送ってくれたのが、すいどーばた美術学院彫刻科 氷室幸子さんです。
(13日 20:56送信)
himuroDSC_2147.jpg
緊張の中色々な気持ちと戦った人、お疲れ様でした!!全体的には、普段やれてる力が出せたのか?!と言う印象が大きかったです。
ーブルータスー
肩を捉え動きに伴う、関係性を見る。そこから首の出方を見る。彫刻を勉強するたる者!ここを感じずに、何を描く!!もっと、大事な部分で競って欲しかったです! が、トップのデッサンから良い点と悪い点が明確に一枚の結果に出ているので、これからの課題として、確実にクリアして行って欲しいです。まだまだ、ここからが勝負!!同時に、メンタルも鍛えろー!!






続いて、すいどーばた美術学院彫刻科 虫本文のコメント。
(13日 20:58送信)
mushimotoDSC_2093.jpg
全体としては頭部、首、両肩の構成をしっかりと捉えているデッサンが見られなかったと思います。とくに両肩の形態感と、その位置関係が弱かったように感じました。一つ一つのデッサンを見ていけば、各々に良さは見えてくるのですが、トップのデッサンからしてブルータスの構成を捕まえられていなかったのは残念です。光で見たり、形態で見たり、空間でみたり、各々にデッサンを見ていく切り口は色々あると思いますが、もっとブルータスをガチッと捕まえてきたようなデッサンがあると良かっなあと思いました。






続いて、湘南美術学院彫刻科 主任 佐藤武夫のコメントです。
(13日 21:37送信)
satohP1010236.jpg
魅力あるデッサンには決定的な狂いが、正確なデッサンには物足りなさがありました。
他者に何かを伝える為のデッサン力をもっと付けてください。最近、美しいものを観てますか?






続いて、湘南美術学院彫刻科 西澤利高のコメント。
(13日 22:02送信)
nishizawaDSC_2101.jpg
今年は高校生が多かったみたいですが蓋を開けてみると例年並の内容でした。最初の印象としては全体に炭ぽい感じがして、なんだか重いというかすっきりみえなかったのが気になります。そのなかで僕は、比較的正確さと厚みがり画面余白の抜けが良いデッサンに加点しました。それと下位の方では、画面からポジティブエナジーを感じさせられるデッサンに注目しました。経験を積むまでは仕上がりを気にしないでどんどん修正をするべきです。当然真っ白い紙に真っ黒い木炭で挑んでいくワケですから画面がモコモコ炭ぽくなりますよ。ただしあるレベルまできたら描くモノだけに固執しないで、画面のなかの余白と仲良くすることをお勧めします。






続いて、湘南美術学院彫刻科 東儀悟史のコメント。
(14日 00:33送信)
tougiDSC_2098.jpg
全体の傾向として描き急いでいる印象を受けました。もう少しシンプルに、軸、正中線、左右のバランス、構図、など基本的な事に時間を割きましょう。 確認の作業を増やし、表面ではなく石膏像がもってる動きや量感がダイレクトに伝わってくるデッサンを目指しましょう






続いて、湘南美術学院彫刻科 斉藤寛之のコメント。
(14日 00:55送信)
saitohP1010240.jpg
率直な感想としては合格レベルの層にもっと厚みが欲しいところです。ブルータス像はコスチュームを追いかけながら体格や姿勢を表現しなくてはいけません。裸像と違って表に見えてこない部分に意識を持ってくることが重要になってくるのですが、観察と感覚を上手く噛み合わせて仕上げているのが少ないようにみえます。
そして、中間層やそれ以下の作品のほとんどが闇雲に表面描写に走って立体が崩れている状態に問題を感じます。
一見箱状に見えない物をいかに箱に置き換えて立体表現していく事にミソがあり、
ここから構図なりプロポーションを気にする方向に繋げていきたいものです。
これは一筋縄ではいかない感覚的な所ですが立体を作っていく上では切っても切り離せない基本要素なので経験を積み重ねながら切磋琢磨していって欲しいです。






続いて、すいどーばた美術学院彫刻科 竹花哲のコメント。
(14日 02:03送信)
takehanaDSC_2102.jpg
公開コンクールに参加した皆様、お疲れ様でした。みんな頑張りましたね。
今回の公開コンクールの全体の印象は、まだ11月なので荒削りな感じもありましたが、それは良い意味で、元気良く積極的な印象が感じられ良かったと思います。
採点の評価で優秀なaも出ましたね。
私の採点基準は、構図、印象、動き、形態、調子の美しさ、描き込みの魅力、空間意識
の7つを重要なポイントとして、それらのバランスを見ながら採点しました。
この時期に確認しておきたい大切な(基本)ポイントです。
自分自身の「デッサンの基本」を公開コンクールをキッカケに確認してみて下さい。
入試まで時間はまだあるので、焦らずじっくり、描写の自己ベストを、日々、塗り替えるような気持ち(自然体で前向きに)そして新たな発見を楽しみながら、取り組んでみて下さい。
見る人が感動できるような、リアリティーある(合格できる)デッサンになるよう、期待しサポートしていきます。
冬季講習会も参加できる学生は、気軽に声をかけてください。






続いて、すいどーばた美術学院彫刻科 主任 西嶋雄志のコメント。
(14日 06:32送信)
nishijimaDSC_2127.jpg
11月という時期を考えると6時間という制作時間としては、良く描いていると思います。ですが、描き上げるのがやっとで、全体に構造の弱いデッサンが並んだなぁという印象です。 石膏胸像デッサンは、首回りの空間の捉え方が大事になります。ブルータスの場合は、首を強く曲げ、胸を張り出し、それらのバランスを両肩でとっています。特に左肩と頭部の関係はシビアで、力の流れや動きの要になっています。 そういった観点で皆さんのデッサンをみると、ほとんどが何となく即物的に現象を追いかけているように感じます。数枚、体をガッチリととらえているものがありましたが、残念ながら頭部の印象が悪く評価出来ませんでした。 皆さんへのメセージとしては、彫刻科のデッサンなので、石膏像を彫刻として捉えましょう。ミケランジェロの気持ちになってもう一度、ブルータスを観察してください。 これから受験までの4ヶ月弱をどのように過ごすかが大事です。今回自分の力が出せた人、出し切れなかった人、その結果も含めてこれが今の実力として受け止め、自分自身の課題をあらたに設定し、前向きに取り組んでください。






続いて、すいどーばた美術学院彫刻科 吉田朗のコメント。
(14日 07:41送信)
yoshidaDSC_2091.jpg
少し厳しい意見になってしまうが、今回の全国公開コンクールでは彫刻的ポイントを押さえつつ、描き上がっているデッサンは無かったと思う。 絵として仕上げにいくことのみを最優先にしている作品が、結果として多く上位に残ってしまったように感じた。 絵づらの面白さや顔面の印象は大切な要素だが、ブルータスの持つ力強い量感やねじれを捉え、彫刻を志すものだからこそ反応し得る形態を探すことは、デッサン、素描、塑造のつながりを考えると非常に重要だと思う。 今回、上位の入ったデッサンには残念ながら塑造力を感じるものは少なく、今後の勉強を考えたとき、先細りや行き詰まり感を感じてしまう。 上位に入った皆さんも、自分のデッサンを人体として見て、どのような動きがあるか、どんな組み立てになっているか確認すると、簡単にいくつかの問題点を見つけられると思う。 コンクールの上位デッサンをイメージするのではなく、一段もしくはさらにもう一段高いレベルをイメージしながら、残りの日々を送ってもらいたい。 厳しいことばかりになってしまったが、今回は例年になく新鮮な視点のデッサンや、様々な描画材の扱い方をするデッサンが上位にも多く見ることができた。表現の幅に広がりを感じられ、バリエーションのある作品群を全国公開コンクールという場で見ることができたのは、非常に良かった点だと思う。






続いて、すいどーばた美術学院彫刻科 阿部光成のコメント。
(14日 08:37送信)
abeP1010241.jpg
僕の採点のポイントはまずバランスですね。そこが怪しいのはどんなに内容が良くても高い点数は付けられませんでした。また下位の方にいい仕事しているデッサンが何枚かあったのですが、顔の印象が悪くどうしても点数を入れられないのもありました。些細なミスが大きな順位の差になっていると思います。6時間の短い時間で仕事の優先順位を間違わないようにしたいですね。


以上、10名のコメントでした。
2010_11_14P1010233.jpg

皆さんが感じたことと共通するコメントはありましたか?
または、全然違ったコメントはありましたか?
そうやって自分の中に価値基準を構築していくことはデッサンを描くことと同じくらい大切なことです。

入試まで各々力をつけてください。