連載石膏解説 第2回ヘルメス

リクエストにより、ヘルメスの解説をすることにしました。
石膏像になっている胸像の中でも難易度の高いモチーフです。木炭デッサンのモチーフとして単体で描くほか、最近は首を模刻したりもしています。

071130.jpg

ヘルメス像は1877年にオリュンピアのヘラ神殿で発見されました。ゼウスの命によりその息子を妖精の元に届ける姿を表しています。
木の幹にマントを掛けて、幼児を左手に抱き、掲げた右手にブドウの房を持っていたと思われます。
 一般にギリシャ時代の巨匠プラクシテレスの作といわれていますが、後の時代に模刻されたという説もあります。
 プラクシテレス作といわれるだけあり、ゆったりとした動きの表現がとても軟らかく、写実性などもすばらしい作品です。
 動きの表現が微妙で見極めが難しく、モチーフとしての難易度を上げています。ブールデルはこの像の皮膚を除き、筋肉をむき出しにした原寸大の彫刻を作りました。それほど正確な筋肉表現と彫刻的な魅力を感じたのでしょう。
 胸像を描く上で、全身像がどのようなポーズをとっているか知ることはとても重要です。立脚はどちらの足なのか、左右の手はどのようなポーズをとっているかを把握する必要があります。
つづく、、、、、

カテゴリ

月別 アーカイブ

ウェブページ

この記事について

このページは、彫刻科教員が2007年11月30日 16:40に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「夜間部の預かり作品」です。

次の記事は「今日の制作 黒猫クラス」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。