2010年07月10日

●学期末コンクール!a出ました。

今日は学期末コンクールの採点と講評でした。

今日の課題は「円盤投げトルソの背面」のデッサンと
「鳩」の塑造でした。
デッサンでは久しぶりに「a」ランクが1点出ました。このランクは東京芸大の入試においてトップランクに位置するもので、すいどーばたでも年間で数点しかでないものです。

円盤投げの背面は表面描写だけでは表現が難しく、動きの理解や構造の組み立てがしっかり出来ていることが求められます。
数点作品を紹介したいと思います。
1位のR.Mくんのデッサン
的確な描写と奇麗な空間と光をつかんだ秀作です。ここ数枚でデッサンがつかめてきましたね。若干動きが固いですが人物デッサンに続きgoodです。
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2位のS.Tさんのデッサン
構造をしっかりとらえ、安定したデッサンです。力の溜まった表情から動きにゆったりとつなげています。
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3位のM.Mさんのデッサン
動きの理解が深く、コントロールされたデッサンです。見た目は少し強引ですが、安定感があります。
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4位のR.Kくんのデッサン
スケール感がありタップリとした量感が魅力です。
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6位のY.Uくんのデッサン
炭の響きがいいですね。カタチがもっともっと広がるとなお良いです。

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塑造は鳩らしさや生命感が求められます。
Y.Uくんの塑造
二羽の鳩を効果的に組み合わせた秀作。安定した内容を感じさせます。
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N.Nさんの塑造
シンプルに抜かりない表現がで来ていますが、パーツのつながりや構造をもっと追っていきましょう。
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少しの間、お休みです。一学期の反省点を夏の講習で取り組めるよう、リフレッシュしてください。

2010年07月02日

●骨の塑造

動物の骨を塑像するとき、模刻のようにそっくりに造る事とは違います。模刻は基本、彫刻がモチーフですので再構成されていますが、骨はされていません。人体素描や、モデル首像、自刻像と同じように再構成が必要です。種の普遍的なバランスのモト、表面をツカサどる質感まで迫る粘土の扱い具合も要求されます。少し飛躍的な話にはなりますが、模刻のそれとは違い造る側に作品に成りえるような自由度の要素を持てるのが動物の骨の塑像だと言えます。
さて今回の塑像ですが、
S.Tさんの塑造
ゾウの模刻です。粘土に厚みがあり、設置面やカタチの回り込みまで仕事が行き届いています。顎の存在感に対しての後頭部の強さがもう少し欲しいですね。


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M.Mさんの塑造
素描的な観察によって形に幅が増え、質感に迫れています。骨が持つ構造的な強さまでさらに迫れると抜群に良くなりますね。


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T.Aくんの塑造
牛骨の構造、バランスをしっかり捉えられています。あとは骨が持っている質感や厚みなどいろいろと探り、もっと触るように形を追って行きましょう。


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M.Yさんの塑造
観察による仕事が全体に行き届いています。形を捉まえて行くようによりと取り組んでいけると良いですね。柔らかさがいいですので自信を持って行きましょう。
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2010年06月30日

●今日のモチーフは色々な種類の骨でした。

豚、ゾウ、小人カバ、ライオン、牛骨の骨がモチーフでした。

骨らしい堅さや密度を感じさせるまで、試行錯誤しながら色々な粘土付けを研究したいですね。
面で見ていきながら影を意識する仕事も大事です。構造もしっかり観察しましょう。

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R.K君の塑造です。
魅せるために、まだ密度が欲しい部分はありますが、色々な表情を感じさせる粘土付けが力を感じます。インパクトがありますね。

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K.Tさんの塑造。
メリハリのある仕事が、魅力的です。骨らしい質感に迫れていますね!見せ場の粘土付けにもう一歩言い切りがあれば良かったですね。

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Y.Y君の塑造。
じっくり観察し、しつこく表情を作っていく仕事が面白いです!形には、大きなメリハリが欲しい所ですが、じわじわ魅せる言い切りが強い作品です。

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S.Sさんの塑造。
面白い研究成果が現れてきていますね!粘土付けのバリエーションが豊富です。大胆に魅せる所があれば、どこか緻密で繊細なところもあると、もっと魅力が増すでしょう。

2010年06月28日

●今日から骨の模刻。

今日から骨の模刻が始まりました。
これまで、モチーフとして使って来なかった貴重な骨も登場です。
こちらはゾウ。宇宙人みたいですね。
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こちらは多分コビトカバ。
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おなじみ牛の骨。
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これはライオン。
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骨は彫刻をしていく上で、非常に重要な要素の一つです。軽くて堅くて強い。
それが形の中に隠されています。しっかり観察してその特徴を見つけ出しましょう。

こちらは大型模刻に取り組む学生。
ミロのヴィーナスは量も多く大変ですが、動きを体験しながら理解できる最高のモチーフです。がっちり格闘してください。
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2010年06月26日

●メディチの模刻と組もチーフ

M.Sさんの模刻
メディチの動きとバランスをしかっり捉えている事が出来ています。安定した力を感じます。自己の課題に立ち向い、対象が持つ質感にせまる姿勢が見えます。このままの調子で頑張りましょう。
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K.Yくんの模刻
メディチの傾きよりも顔がやや真っ直ぐになってしまいましたが、粘土の質感には柔らかさがあり、堂々とした存在感には強さが感じられます。側面を意識した仕事をもっと心掛けられると良いですね。

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K.Hさんの模刻
じっくりと時間をかけて合わせていく仕事が全体に行き届いてきています。印象のあった良い模刻ですね。細部の形の質感へと迫る仕事が増えると良いですね。確実に力がついています。

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こちらは、とげ抜きとワイン、パイナップルの組モチーフです。N.Nさんのデッサンです。描写ひとつひとつに全体へとつながる目的意識が出てきました。一個一個のモチーフを描いた先で空間的な位置や、光との関係を良く吟味して描き込みを進めてこれました。

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2010年06月23日

●メジチ、グデアの模刻と組モチーフ

R.Kくんの塑造です。
実技、表現に強い責任感を感じます。顔面の造り込みで頭部と首のバランス関係が少し崩れましたが、見比べるデッサン力と作って行く意識が噛み合い始めています。

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こちらは組モチーフです(とげ抜きorうずきまるビーナス、パイナップル、ワイン瓶)。単体でのデッサンとは違い、モチーフそれぞれの比率、配置の関係、固有色、質感の差、などなど要素の種類のひろがりはかなりあります。位置によってモチーフとの距離や角度、光線状態も様々ですので、色々な答え方があると思います。どこに反応し、どこを見せ場にするか、絵心が必要とされますね。

m.mさんのデッサン
近い、遠いを空気遠近法だけではなくもう一度観察を通して違いを出しています。モノとモノとの間の空気を少し感じます。一瞬、時が止まったように見えるのはその為でしょうか?

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こちらは別カリキュラムで取り組んでいた、Y.U君です。
へそから肩にかけての光と形態感の関係がとても綺麗に捉まえられています。ちょっとずつ頭部や足にもその光のつながりが出て来ています。持っている塑造力、デッサン力に表現がついてきましたね。

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2010年06月17日

●フォーン、手

T.N君のデッサンです。まだ腰や肋骨のハリに弱さはありますが、全体の炭の配置や光の自然さなどがフォーン強さをシンプルに見せてくれます。
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R.K君のデッサンです。
バチッと強さをもって描いていますね。大きなスケール感から炭に説得力を持たせていくまでのプロセスがスムーズでした。
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S.H君のデッサンです。やや小さめな構図ですが、像の傾きや大きな面など、フォーンのポイントを捉えて描いています。白の広がりが出てくると良いですね。
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こちらのクラスは手の塑造です。

K.Yくんの塑造。高さを活かしたシンプルな構成ですね。形の追い方に柔らかさが見られ、粘土の表現に魅力が感じられます。
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S.Tさんの塑造。小さな手と構成することで作品としての物語性が表現されています。粘土の柔らかさが主題と合っていて良いですね。心棒の位置がもったいないですね。
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M.Mさんの塑造。手を積み重ねた面白い構成ですね。不思議な魅力があります。上部の手の切り口部分や指先部分の作り込みがもう少し出来ると良いですね。
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2010年06月15日

●今日の課題は、フォーンのデッサンと手の塑造でした。

『手を使って感情を表現しなさい』
感情と絡めつつ有機的な手のクオリティーや塑像板上の空間の扱いなど基本も忘れずに!簡単な課題の様で、以外と考えるポイントがたくさんある課題ですね。

N.Nさんの塑造です。
しっかり心棒から完成イメージを持って制作されている作品です。ラインの奇麗さや塑像板上の空間の扱いがうまいですね。指の固さも存在感が勝つ様になってくると完璧です。
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Y.Y君の塑像です。
塑像力が上がってきました。シンプルですが自分に向かい合った好感度のある作品です。もっと見せ場に盛り上がりがあると良いですね。
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S.Sさんの塑像です。
塑像板からの高さを活かし、流れと奥行きをしなやかに使えています。手と手の繋がりなど緊張感のある仕事が良いですね。この調子でもっとクオリティーが上がっていくと良いですね。
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フォーンのデッサン

T.Aくんのデッサン
形を丁寧に追うことで抵抗感のある明快なデッサンになっています。左右の動きの変化によって出来る形の違いや回り込みの仕事ができると良いですね。
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A.Mさんのデッサン
光を意識し調子を繋げる仕事が噛み合い始めています。叙情的なデッサンですね。反射光の照り返しをより効果的に捉えることができると良いと思います。台座の仕事ももう少し出来ると良いですね。
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2010年06月02日

●動物塑造 ニワトリ

こちらのクラスはニワトリの講評でした。
アヒルに続いての動物課題ということで、再構成する意識をもって取り組めている学生が多く見受けられたように思います。

A.Aさんの作品。頭部や体の形態を意識した作り込みには浅さが残りますが、左右の脚の関係がよく捉えられています。その結果、全体の動きにも自然な流れが生まれています。
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K.N さんの作品。形態の繋がりを無理なく追うことが出来ていますね。全体の佇まいがよく表現されています。顔の印象がもう少し合うといいですね。
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Y.Uくんの作品 。全体的にそつのない仕事ができています。肩周りから体の正面部分への繋がりが少し単調になってしまったところが惜しいですね。

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N.Nさんの作品。素描的なアプローチによって、粘土にいろいろな表情が生まれています。目に見えない部分の形の繋がりをもっと探れるといいですね。

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R.Mさんの作品。粘土の表情に力強さを感じます。全体の流れを意識した仕事と、アヒルでは若干弱かった両脚の関係も克服出来ています。

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K.Tさんの作品。立ち方と全体の流れを意識した良い仕事ができています。空間に広がりが出ています。胸回りや頭部の形態の強さがもう少しでるといいですね。

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2010年05月29日

●アヒルとミロビ

こちらのクラスはアヒルの塑造でした。
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塑造と素描がならんでいます。
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T.Aくんのアヒル カタチがやせることなく、ボリューム感が出ていていいですね。動きや体重のかかり具合で変化する足回りにもう少し仕事が必要です。

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K.Sさんのアヒル やわらかいカタチがつくる自然な流れが良いですね。足のインパクトが少し弱いのが気になります。

デッサンのクラスはミロのビーナスでした。倍版2枚つなぎなど、いろいろなサイズでアプローチしていました。おおきな動きをどのようにとらえてくるかが大切ですね。


A.Sくんのデッサンです。
まだ重心の乗り具合や床の奥行きなど弱い部分もありますが、迷い少なくスッキリと描き上げられました。
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N.Nさんのデッサンです。
正面見上げの難しい位置ですが、白さを活かしながら丁寧に描写しています。頭部の丸みなどまだ問題はありますが、動きに対する反応が少しずつひろがってきましたね。
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